感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
呼戯人
15
1935年3月8日のブリュッセルでの講演をもとにした文明批評。オランダが生んだ20世紀最大の歴史家ヨハン・ホイジンガの時代診断の書である。1935年というとヒトラーが政権を握り、合法的な形でファシズムを成立させたのちのことである。その歴史の惨状を見てとり、大衆のピュアリリズム(小児的心理の大人)の登場によって、合理的な判断が不可能になったヨーロッパの時代状況を批判した書である。現代のブリュッセルはテロの攻撃を受けて、再び世界は戦争の危機に瀕している。そして現代の日本もファシズムの危機に瀕している。2016/03/30
うえ
6
とりあえず著者のc.シュミットへの無理解には驚かされる。解説には「ウェーバーをホイジンガが断罪したのも…ウェーバーの基本的立場に対する見誤りがあったのではないかとさえおもわれる」とある●「人間は、およそすべての倫理規範をふりすててしまったばあいにおいても、なお、他人に対して倫理的な侮蔑感をいだき、他人を断罪しがちなものなのであり…内なる弱さ…外からの抵抗という概念には、なおいくぶんか残る真正の「悪」に対する畏怖の念がつねに混在しているのである…対立するものがあれば、それはそのまま悪と感じられてしまうのだ」2017/08/09
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