出版社内容情報
満洲国が戦後日本に及ぼした影響とは何か。その歴史的意味を平易に説く章を新たに増補。吉野作造賞受賞作。
★本書は『書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG』にエントリーされています。
内容説明
一九三二年三月、中国東北地方に忽然と出現し、わずか一三年五カ月後に姿を消した国家、満洲国。今日なおその影を色濃く残す満洲国とは何だったのか。本書は建国の背景、国家理念、統治機構の特色を明らかにし、そこに凝縮して現れた近代日本の国家観、民族観、そしてアジア観を問い直す試みである。新たに満洲・満洲国の前史と戦後に及ぼした影響など、その歴史的意義を想定問答形式によって概観する章を増補した。
目次
序章 満洲国へのまなざし
第1章 日本の活くる唯一の途―関東軍・満蒙領有論の射程
第2章 在満蒙各民族の楽土たらしむ―新国家建設工作と建国理念の模索
第3章 世界政治の模範となさんとす―道義立国の大旆と満州国政治の形成
第4章 経邦の長策は常に日本帝国と協力同心―王道楽土の蹉跌と日満一体化の道程
終章 キメラ―その実相と幻像
補章 満洲そして満洲国の歴史的意味とは何であったか
著者等紹介
山室信一[ヤマムロシンイチ]
1951(昭和26)年、熊本市に生まれる。1975年、東京大学法学部卒業。衆議院法制局参事、東京大学助手、東北大学助教授、京都大学人文科学研究所助教授を経て、現在、同研究所教授。法政思想連鎖史専攻。著書に『法制官僚の時代―国家の設計と知の歴程』(本鐸社、1984年、毎日出版文化賞受賞)、『思想課題としてのアジア―基軸・連鎖・投企』(岩波書店、2001年、アジア太平洋賞特別賞受賞)など
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感想・レビュー
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