中公クラシックス
冷戦の起源〈1〉―戦後アジアの国際環境

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  • サイズ B40判/ページ数 299p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121601414
  • NDC分類 319.2
  • Cコード C1231

出版社内容情報

東アジアの地政学はいかにかくなったか。米ソの暗闘が世界分割を産みだし、それ故に世界秩序形成が遅れた皮肉を徹底論証する。

内容説明

戦後東アジアの国際環境を規定した冷戦。だれが、どのような要因から、かくあらしめたのか―。日本が再生したアジアの状況。

目次

第1章 序説・冷戦思想の疫学的起源(冷戦の意味;疫学的地政学;「隔離」と「封じこめ」)
第2章 冷戦論争のアメリカ的性格(歴史認識の政治学;ウィスコンシン学派の風土的基礎)
第3章 リヴァイアサンの火(共通の課題―海洋戦略;戦後構想と原爆開発;悲劇の根源―ポーランド問題)
第4章 ヤルタ体制のアジア的構造(“実践規範”としての国際体系;重慶・延安・ワシントン;“ヤルタ取引き”の構造)
第5章 原爆投下の決定(問題の所在;官僚機構内部の対立;原爆と極東外交;内政の拘束と機構の惰性)

著者等紹介

永井陽之助[ナガイヨウノスケ]
政治学者。東京工業大学・青山学院大学名誉教授。1924(大正13)年生まれ。1950(昭和25)年、東京大学法学部卒業。ハーバード大学に研究員として在学中の1962年にキューバ危機が起こり、国際政治のリアリズムに関する研究を始める。非武装中立を批判する一方、軍事力の過大評価を警戒しタカ派も批判した。1967(昭和42)年、「日本外交における拘束と選択」(『平和の代償』所収)で吉野作造賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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紙狸

18
原本は1978年刊行で、2013年に中公クラシックスに収められた。中山俊弘氏の解説が冒頭に置かれていて、これが出色。「アメリカに関するアフォリズム的な洞察がダイヤモンドの原石のようにいたるところに転がっている」と評する。本文を読んで納得した。ケナンの封じ込め論は「疫学的地政学」の性格を持つのだと当たり前のように書いている。共産主義を流行病のように捉えて対処しようとした、という意味だろう。新型コロナを経て読んだせいか、やたら感心してしまった。2022/06/05

ヴァン

8
著者・永井陽之助は政治学者。第二次世界大戦終結と同時に始まった冷戦の、アジアでの展開を論証する。ルーズベルトがヒューマンな民主主義の単なる旗手ではなく、戦後世界で、アメリカにとって有利な力の支配を確立するための知略をめぐらすさまが詳述される。この上巻では日本に原爆を投下するまでのアメリカ政府内の意見の相違、対するソビエトとのやりとりが展開する。 2017/07/31

カラコムル711

0
難しい本で悪戦苦闘した。引用文献がほとんど英語史料なのは難儀する。ともかく少し古くなった本だが、水準は今でも通用するというか、それ以上のものが各所にある。 氏が、比較的若くなくなったのが残念。自分は彼よりずっと左翼だが参考になる本。 2015/07/17

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