中公クラシックス
ヒステリー研究・初版

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  • サイズ B40判/ページ数 535p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121601391
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C1211

出版社内容情報

ブロイアー、フロイトが世に問うた近代精神分析学の嚆矢。やがて別々の道を歩んだ二人が共同で示した「心的メカニズム」の解析。

内容説明

「無意識の科学」としての精神分析学誕生。ヒステリーをめぐる偉大なる二人の科学者の模索、試行錯誤、葛藤、論議の到達点。

目次

第1章 ヒステリー現象の心的メカニズムについて
第2章 病歴(アンナ・O嬢;エミー・フォン・N夫人;ミス・ルーシー・R;カタリーナ;エリーザベト・フォン・R嬢)
第3章 理論的考察
第4章 ヒステリーの精神療法について

著者等紹介

ブロイアー,ヨーゼフ[ブロイアー,ヨーゼフ] [Breuer,Josef]
1842~1925。オーストリアの生理学者、内科医。呼吸の自動統御や三半規管が身体バランスを維持する機能を持つことを発見するなど、生理学の業績で医学史に名を残す

フロイト,ジークムント[フロイト,ジークムント] [Freud,Sigmund]
1856~1939。オーストリアの精神科医、精神分析学者。開業医としてヒステリー患者の治療を模索するなかで、従来の催眠術と訣別する精神分析療法を確立、20世紀思想に決定的ともいえる影響を与えた

金関猛[カナセキタケシ]
1954年(昭和29年)京都生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。専攻、比較文化学・ドイツ文学。現在、岡山大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

cockroach's garten

20
途中まで。患者のレポ方式で書かれている。まだ解離性障害(ヒステリー)が病名として名付けられて間もない時期で、経験の浅いフロイトの手探りの診断と患者の特徴に対する考察がおもしろい。ブロイアーの考察が見たかったがそこまで読めなかった。膨大な長さだが精神医学や心理学に興味を持つ人はもちろん、精神病を患った患者とそれに対峙する医者の葛藤を扱った作品としても読めるので、読む価値はあるだろう。2017/11/18

壱萬弐仟縁

11
暑い中厚い本を読む。容易でないが、小括があるので、そこだけでも読む。評者の場合、ヒステリーとなるのは堪忍袋の緒が切れる場合。症例の総括では、病歴が短編小説のようになると書かれている(253頁)。患者の受難史。第3章は理論編。322頁の復讐衝動は恐ろしいと思う。仕返し。無意識表象は幾つかの表象を活発化させて連想に影響(374頁)。カタルシス法(409頁~)。そもそもカタルシスは辞書によると、病的な体液を体外へ排出(広辞苑)。要は、鬱屈したストレス発散する方法だろう。人間のこころは困ったものだ。複雑すぎる。2013/07/08

yuya

2
フロイトは、意識を細胞のように捉えており中に入ったものは知覚されない2019/05/21

ひぐま

1
 フロイトの論文の中では最も好きな一冊。フロイト初体験、精神分析初体験の人にもオススメします。  まだ精神分析が明確な論理化をされていない時期の論文なので、原理主義的性欲論も出てこず、その分手探りで右往左往しながら患者と渡り合うフロイトの記述が非常に新鮮。これぞ「臨床」ですね。  そして、患者の訴える意味不明な症状が、実は失われたビーズをつなぎ合わせる一本の糸だと分かった一瞬など、まさに「事実は小説よりも奇なり」の格好の例。  「精神分析は死んだ」とかいう前に、一度これを読んでもらいたいものです。

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