出版社内容情報
SNS、空き教室、隠れた「処分歴」……。いま増加している、教師から教え子へのわいせつ事案の実態と知られざる現状を徹底取材。
内容説明
長年見過ごされてきた、教員から教え子へのわいせつ事案。近年では、SNSを利用した教員・生徒間のコミュニケーションや、少子化によって生まれた「空き教室」の悪用などにより、被害者が増え続けている。読売新聞ではキャンペーン報道「許すな わいせつ教員」でこの問題を独自に調査。教育現場で起きていることや、その深刻な被害の実態、そして、国会での「わいせつ教員対策新法」の成立までを追った―。
目次
第1章 見えない被害
第2章 独自の集計
第3章 卑劣な手口
第4章 教育委員会
第5章 新法成立
第6章 被害を防ぐには
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中玉ケビン砂糖
56
「教師と生徒という主従的関係」「学校という密室」「各教委のことなかれ主義やイメージ悪化を隠蔽するための学校法人体質」「卑劣な性犯罪者を二度と教壇に立たせない」というパワーワードはことごとく正論だが、問題はそれだけに留まらない。小・中・高とでその「わいせつ性や行為の程度」に異同はあるはずで、一括りにはできない難しさがあると感じる。盗撮(のぞき)や収集癖には著しい常習性が認められ、他方で小児性愛様の傾向があれば適切な治療も本来は求められるべきなのだが……。種々の依存症事例などでも言えることだが、2022/10/09
メチコ
9
加害者側の心理面、つまり人間の内側を描いた内容だと思っていたんだけど、そうではなくて、こんな被害がこれまでにあって そこにはこんな問題が潜んでいて 今こういった法整備が行われています…といった問題全体の外郭をなぞった内容だった。 それはそれでいいんだけど、私が期待していた内容とは異なっていたため、さらっと流し読み。2023/08/02
Yappy!
5
わいせつだけではない最近もこの関係のニュースがちらほらと出ている。というより、発覚がより早くなっているということか。何十年も昔からあったことだとは思うけれど、人が多い時代は何年も繰り返される前に見つかっていたのか、そこまでいかなかったか。今増えているというより発覚するようになったというだけで、根は深い。教員採用試験がどうこうとか言っても、一定割合でこういったことが起こるという前提でいないと、いつまでも繰り返されてしまうし、隠蔽されてしまいそう。法律関係のやりとりは勉強になった。公的関係の性善説はダメかな。2022/08/27
も
2
著者は読売新聞取材班。教員によるわいせつ事件が増えながらも、懲戒免職になっても3年で戻れる問題に警鐘を鳴らすべく集った有志だそう。教員による児童生徒暴力防止法は議員立法とのこと。学校は採用時に官報検索ツールの使用やインターネット検索はできる。私立の自主退職は民法上防げず本人の経歴にあとが残らない。子供に対するプライベートゾーンなどの教育は国レベルで既に始まっている。頼れる大人は他にもいて、教師は絶対的存在ではないと子に教えたい。他の人も書いてるように加害者のカウンセリングや治療も国レベルでやって欲しいな。2024/05/21
Humbaba
2
子どもにとって教員とは絶対的なものであるととらえられがちである。そのため、まさか教員が自分に対して悪いことをするはずがないと考える。その考え方は確かにあるべき考え方だが、残念ながら実際には教員と言えども聖人ばかりでははない。信用するな、と言ってしまえば正しい指導も伝わりにくくなるため難しいところはあるが、絶対的に信じた結果裏切られるとなればさらに子供の心を傷つけてしまう結果となる。2024/05/01