中公新書ラクレ<br> 楽しい孤独 小林一茶はなぜ辞世の句を詠まなかったのか

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中公新書ラクレ
楽しい孤独 小林一茶はなぜ辞世の句を詠まなかったのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 285p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121507464
  • NDC分類 911.35
  • Cコード C1295

出版社内容情報

老(おい)が身の 


値(ね)ぶみをさるるけさの春   一茶




「値踏みをする」は「値段を見積もる」という意味です。老人である一茶に対して、世間の目はあたかも商品の値段を付けるかのようであるというのです。一人住まいの貧しい老人である自分は価値のない存在としてみられている……一茶は、そんな世間の冷酷な視線ですら面白がり俳句にしてしまいます。いったいどうやったら、そんなことができるのでしょうか。


 本書は、一茶の生涯をたどり、彼が遺した俳句を味わいながら、つらいことばかりが多い人生と向き合い、世間という荒波の中でどのように暮らしていていけばよいのか、生きるヒントを探る旅のガイドブックのようなものなのかもしれません。

内容説明

一人暮らしの貧しい老人である自分は価値のない存在としてみられている…一茶は、世間の冷酷な視線ですら面白がって俳句にしてしまいます。本書は、苦難を越えて生き抜いた一茶の俳句を味わいながら「人生という旅」を楽しむためのガイドブックです。

目次

一茶とウイルス
大災害、疫病
二万句を詠み、「悲惨」を乗り越える
孤独を楽しんで生きる
ひねくれ者一茶―骨肉の争い・遺産相続の真相
我星はどこに旅寝や天の川
「歎異抄」を詠む
「おらが春」の世界
お金に縛られない生き方
一茶の「おくのほそ道」
一茶とお茶
「明治時代の一茶」夏目漱石
一茶はなぜ「辞世の句」を詠まなかったのか

著者等紹介

大谷弘至[オオタニヒロシ]
俳人。1980年福岡県生まれ、早稲田大学第二文学部卒業、二松学舎大学大学院文学研究科博士後期課程満期修了。2004年、長谷川櫂氏主宰の俳句結社「古志」入会。現・同主宰者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ありんこ

4
有名な俳人ですが、その生涯については全く知りませんでした。高齢化社会になり、どのように老いと向き合うかを考えている人も多いでしょう。一茶のように、俳句でコミュニティを作りながら楽しく自分を客観視して過ごすのもいいですね。ハーバーマスの文芸的公共性について書かれていましたが、読書メーターみたいだなぁと、いつの時代も変わらないものがあるのだとうれしくなりました。 2022/06/19

てくてく

2
子どもにも覚えやすい俳句作品を残した人、家族との縁が薄く遺産相続をめぐるトラブルがあった人、というイメージしかなくて、一茶について特に知ろうと思わないまま来たが、一茶の生きた時代の過酷さ、一茶の思い切りの良さなどを強調した一茶伝のようなこの本は面白かった。一茶の祖先が三河一揆にも関わる宗教難民だったという指摘などが特に興味深かった。「老が身の値ぶみをさるるけさの春」2022/02/15

okatake

0
江戸時代の俳人、小林一茶。芭蕉や蕪村と比べて地味ですが、親しまれている句は多くあります。 一茶の生き様を著者なりにまとめています。一茶に触れるにはとても良い入門書になると思います。2022/07/30

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