出版社内容情報
奇跡と殉教の世界へ。中世が今でも息づく不思議な国の実像を元ローマ特派員が描く。実在のエクソシストとの会見記等コラムも充実。
内容説明
信者を導く組織であり、世界最小の独立国。その成立から現代に至る歴史をふまえながら、日本人には理解しがたい中世的「ミステリー」が生き続ける現場としてバチカンを描く。実在のエクソシストとの会見も収録。
目次
第1章 ローマ教皇の成立(イエス・キリスト;殉教と発展の地、ローマ)
第2章 「神の代理人」へ(中世から近代へ;変化しながら現代へ)
第3章 バチカンのしくみ(バチカンの機構;現代教皇列伝;コンクラーベ;ローマ教皇庁)
第4章 バチカン市国の特権と闇(小さい国土をささえるもの;バチカンと外交;バチカンと日本;現代の諸問題)
著者等紹介
秦野るり子[ハタノルリコ]
1982年、東京外国語大学卒。同年読売新聞社入社。経済部、外報部(現国際部)、ワシントン支局(読売新聞初の女性特派員)、ジャカルタ支局、ローマ支局などを経て、調査研究本部主任研究員。1985~86年、コロンビア大学ジャーナリズム大学院客員研究員。2008年1~5月、カリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院客員講師。1986年、米チャタヌガ市名誉市民(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
220
バチカン市国についてよく分かる一冊。ローマ教皇を決めるコンクラーベは本当に日本語っぽい。2020/06/20
Lumi
18
「バチカン奇跡調査官」含め、キリスト教が関係する小説を読むことが多く、キリスト教に興味を持ち始めたので読んでみました。 キリスト教について知るための入門書として適していると思う。 簡潔にキリスト教成立までの歴史や現代までの歴史、ローマ教皇についてを解説していて、とても勉強になった。 カトリックとプロテスタントの違いもなんとなく理解できたかな。 バチカンの外交や闇、同性愛について、エクソシストなどのコラムも興味深かった。 バチカンやキリスト教について無知の私でも読みやすかったのでおすすめ。2018/05/22
たみ
10
著者はキリスト教ではない記者。キリスト教の発生からバチカンのなりたち、機構、かの小説で目にした言葉:コンクラーベのことなど、現代にいたるまでをざっと網羅。現存し102か国と外交を行っているというマルタ騎士団にびっくり。騎士と聞くだけでドキドキしてしまう物語脳なのですが、騎士1万人以上という数字に妄想もパンク。カトリック系の学校や教会の結婚式が人気にも関わらず日本では布教がはかどらない、どうしたら、という嘆きも出ているよう。理由は不明ですが個人的には「触らぬ神に祟りなし」な考え方の影響もあるのではと思います2014/08/03
リョウ
7
宗教団体としてあまり細かく分裂しすぎていないこと、そして何より一つの国家としての地位を得ていることが大きなポイント。国家であるからこそ世俗の権力から独立できているし、ミステリアスでいられる。2015/05/10
レコバ
3
なぜローマなのか、から現在進行形の生生しい政治史まで。言われてみれば当たり前のことだが、日本以外の国ではどちらかが信者である事が教会で挙式する条件だそうだ。2014/05/24