中公新書ラクレ
命に値段がつく日―所得格差医療

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  • サイズ 新書判/ページ数 216p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121501813
  • NDC分類 498.021
  • Cコード C1247

出版社内容情報

鉄道も国道もない人口1,300人の南相木村。その診療所での医療体験から見えてきたものは、「顔と顔の互助の網」によって医療福祉を成り立たせる村と、それらがすでに崩壊し「経済性による管理の網」によらなればならない都市部の医療福祉が乖離している現状だった。
少子高齢社会を迎え「医療の市場化」が進むなか「患者が本当に満足できる」医療とは何か。異色の医師の現場体験を綴りながら、「本当に満足できる医療」への答えを魅力的に提案した傑作ノンフィクション。

内容説明

「医療の市場化」が日本に導入されようとしている。過疎の村で奮闘する異色の医師が、それがもたらす「所得格差医療」に警鐘を鳴らすとともに、公平な医療とは何かを鋭く問いかける。

目次

序章 手術体験と小さな不満(ある日、病気になって;癌かもしれない ほか)
第1章 ドクターの偏在が医療事故を招く―都市にも広がる医者不足(病院をめぐる三つの事件;医療態勢に陰を落とす医師の「偏在」 ほか)
第2章 混合診療と医者どろぼう―平等・公平な医療サービスの亀裂(生命保険のCMが変わった!;医療の市場化をにらんだ新保険が売り出された ほか)
第3章 健康長寿・長野モデルの謎―顔の見える互助の網と経済による管理の網の間に(「医療」と「福祉」の境のない時代へ;「現金給付」の介護保険制度 ほか)
第4章 医療教育が病院を変革する―揺れ動く医者の卵たち(世界で一番読まれている「医学書」;フィリピンのスマナ・バルア医師 ほか)

著者等紹介

色平哲郎[イロヒラテツロウ]
長野県南佐久郡南相木村診療所長、内科医。1960年神奈川県生まれ。東京大学中退後、世界を放浪し、京都大学医学部へ入学。長野県厚生連佐久総合病院、京都大学医学部附属病院などを経て、98年より人口約1300人の南相木村診療所の初代所長となり、鉄道も国道もない村に家族5人で暮らす。また、外国人HIV感染者・発症者への「医職住」の生活支援、帰国支援を行うNPO「アイザック」事務局長としても活動を続けている

山岡淳一郎[ヤマオカジュンイチロウ]
ノンフィクション作家。1959年愛媛県生まれ。社会を維持・安定させる「民のなかの公」とは何かをテーマに「都市と住宅」「医療」「企業活動」「スポーツ」「海外紀行」など分野を超えて旺盛に執筆活動を展開している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

21
20年程前の本ですが、今読んでみても参考になる部分が多くいい本でした。特に「健康長寿・長野モデルの謎」「医療教育費が病院を変革する」は良かったです。2024/02/11

でんか

6
これまたいい本です。もしかしたら来るべき未来にあるかもしれない、所得格差医療の到来という可能性の話。混合診療が解禁され、薔薇色の未来を創造する向きもあるがそうはならないだろう、という。長野の佐久の先生なので、長野の医療行政についても語られる。最後に医療教育にも触れられており、盛りだくさんの内容。2017/11/09

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