中公選書<br> 日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題―文化の架橋者たちがみた「あいだ」

個数:
電子版価格
¥2,750
  • 電子版あり

中公選書
日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題―文化の架橋者たちがみた「あいだ」

  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2025年03月29日 00時33分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 432p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784121101488
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C1395

出版社内容情報

日本文学は「どうしても翻訳できない言葉」で書かれてきた、と大江健三郎は言う。事実、谷崎も川端も三島も、英訳時に改変され、省略され、時に誤読もされてきた。なぜそのまま翻訳することができないのか。どのような経緯で改変され、その結果、刊行された作品はどう受け止められたのか。一九五〇~七〇年代の作家、翻訳者、編集者の異文化間の葛藤の根源を、米クノップフ社のアーカイヴ資料等をつぶさに検証し、初めて明らかにする。

目次より
序章  日本文学翻訳プログラムの始まり――ハロルド・シュトラウスとクノップフ社
第一章 日本文学の異質性とは何か――大佛次郎『帰郷』
第二章 それは「誰が」話したのか――谷崎潤一郎『蓼喰う虫』
第三章 結末はなぜ書き換えられたのか――大岡昇平『野火』
第四章 入り乱れる時間軸――谷崎潤一郎『細雪』
第五章 比喩という落とし穴――三島由紀夫『金閣寺』
第六章 三つのメタモルフォーゼ――『細雪』、「千羽鶴」、川端康成
第七章 囲碁という神秘――川端康成『名人』
終章  日本文学は世界文学に何をもたらしたのか――『細雪』の最後の二行

内容説明

日本文学は「どうしても翻訳できない言葉」で書かれてきた、と大江健三郎は言う。事実、谷崎も川端も三島も、英訳時に改変され、省略され、時に誤読もされてきた。なぜそのまま翻訳することができないのか。どのような経緯で改変され、その結果、刊行された作品はどう受け止められたのか。米クノップフ社のアーカイヴズ資料等をつぶさに検証し、一九五〇~七〇年代の作家、翻訳者、編集者の異文化間の葛藤の根源を初めて明らかにする。

目次

序章 日本文学翻訳プログラムの始まり―ハロルド・シュトラウスとクノップフ社
第1章 日本文学の異質性とは何か―大佛次郎『帰郷』
第2章 それは「誰が」話したのか―谷崎潤一郎『蓼喰ふ虫』
第3章 結末はなぜ書き換えられたのか―大岡昇平『野火』
第4章 入り乱れる時間軸―谷崎潤一郎『細雪』
第5章 比喩という落とし穴―三島由紀夫『金閣寺』
第6章 三つのメタモルフォーゼ―『細雪』、「千羽鶴」、川端康成
第7章 囲碁という神秘―川端康成『名人』
終章 日本文学は世界文学に何をもたらしたのか―『細雪』の最後の二行

著者等紹介

片岡真伊[カタオカマイ]
国際日本文化研究センター准教授、総合研究大学院大学准教授(併任)。1987年栃木県生まれ。ロンドン大学ロイヤルホロウェイ(英文学)卒業、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン修士課程(比較文学)修了。総合研究大学院大学(国際日本研究)博士後期課程修了。博士(学術)。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院シニア・ティーチング・フェロー、東京大学東アジア藝文書院(EAA)特任研究員を経て、2023年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

116
日本の翻訳出版では完訳が当然で、日本人に馴染みのない部分を削除したり要約ですませることはまずない。しかし戦後アメリカでの日本文学紹介では谷崎、川端、三島らの代表作でも当然のように行われ、結末の改変すらあった。逆に日本語文では珍しくない主語や時制の曖昧さは許されず、英米圏読者に受け入れられるよう誰がいつ何と語ったか明確にするよう加筆された。特に会話文では日本独自の性差、年齢差、距離感に満ちた表現の翻訳は難しかったようだ。異なる文化の架橋者たる翻訳者の苦労もわかるが、「翻訳者は裏切り者」なのも事実と言えよう。2024/04/02

踊る猫

30
谷崎や川端や三島といった作家の作品は、彼ら独自のクセのある文体もさることながらそこに書かれていることがらについても、相当に英語に訳しづらいことは想像に難くない。そうした作品がではいったいどのようにして訳され、そして海外で受容されうる作品に「変化」したのか。著者がここで為す検証作業は一貫して中立/フェアネスを守り、日本側にも海外側にも単純に与せず「翻訳の可能性/不可能性」を浮き彫りにしていくことに専念した、その意味で実に「シブい」ものだ。ただ訳せば伝わる、とぼく自身ナメていたところがある。それを深く恥じたい2024/08/25

タイコウチ

11
戦後の日本文学が英語に訳され出版される際にいかに改変・省略・誤訳されてきたか、その経緯や背景を、米国クノップフ社などのアーカイヴ資料を丹念に読み解き、文学、言語学、翻訳論、文化論、歴史学などの視点から明らかにするという労作で、読み応えがあった。取り上げられている作家は、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫、大岡昇平らの作品。これほどの詳細な資料(主に翻訳者と編集者との書簡でのやりとりや未出版の翻訳の初稿版など)がアーカイヴ化され残されていること自体に驚く(日本での翻訳出版にそんな資料が残されているだろうか)。2024/08/31

Mits

2
50~70年代の日→英訳の実情。歴史の話で、基本的には今のことではないのだけれど、非ヨーロッパの言語の中で日本文学が比較的マシな地位を占めている経緯はこういうことなのだと。 そして、AIでは文学作品の翻訳は当分無理だと思ったかな。2024/05/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21768056
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。