中公選書<br> 「生きるに値しない命」とは誰のことか―ナチス安楽死思想の原典からの考察 (新版)

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中公選書
「生きるに値しない命」とは誰のことか―ナチス安楽死思想の原典からの考察 (新版)

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  • サイズ 46判/ページ数 227p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784121101112
  • NDC分類 490.15
  • Cコード C1312

出版社内容情報

「役に立つ/立たない」で命を選別できるのか。ナチス安楽死政策を理論的に支えたのが、刑法学者ビンディングと精神科医ホッヘによる共著『生きるに値しない生命の殺害の解禁』(一九二〇年)であった。この本の翻訳に批判的評注を加えて二〇〇一年に刊行されたのが『「生きるに値しない命」とは誰のことか』(窓社)であり、高い評価を得ながら、長らく絶版状態にあった。



 原著刊行から一〇〇年、完訳決定版に安楽死についての近年の議論と相模原事件などを踏まえた論評的評注論文を加え、超高齢社会の「命」を問う。

内容説明

相模原の障碍者施設殺傷事件、安楽死論争、パンデミック・トリアージ。近年、様々な場面で「生きるに値しない命」という言葉を耳にするようになった。しかし、「役に立つ/立たない」ということだけで、命を選別してよいのだろうか。一〇〇年前のドイツで出版され、ナチスT4作戦の理論的根拠になったといわれる『生きるに値しない命を終わらせる行為の解禁』の全訳に解説と批判的考察を加え、超高齢社会の「生」と「死」を考える。

目次

プロローグ 相模原事件、安楽死論争、トリアージ
第1部 テクスト『生きるに値しない命を終わらせる行為の解禁―その基準と形式をめぐって』(全訳)(法律家の見解(カール・ビンディング)
医師による論評(アルフレート・ホッヘ))
第2部 批判的考察(それはいかにして生まれ、利用されたか―法思想史的・歴史的観点から;「生きるに値する命」とは誰のことか―老成学の見地から)
エピローグ クラクフ/アウシュビッツ訪問記

著者等紹介

森下直貴[モリシタナオキ]
老成学研究所代表理事・所長。1953年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。システム倫理学と老成学を提唱する哲学者。浜松医科大学名誉教授

佐野誠[サノマコト]
奈良教育大学名誉教授。1954年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。西洋法史・人権論。浜松医科大学助教授、奈良教育大学教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケディーボーイ

17
原本内では個人の死ぬ権利の擁護から、家族や介護者、公共への負担の話に移り変わる事が多かった。個の権利を守るためといいながら、いつのまにかそれが公に呑み込まれている。当時の独の逼迫した経済状況がそれを進めたという指摘は興味深い。 安楽死・尊厳死は難しい問題だが、同調圧力の強い日本でそれを認める法案が通ったら、望んでなくてもそれを選ばざるを得ない人がでそうで恐い。 〜さんは高齢で身体も動かなくなってきたから、尊厳死を選んだそうだという話を聞いたら(言われたらなおさら)自分もそうした方がいいのかと思いそう。2020/12/14

ネムル

15
中村隆之『野蛮の言説』で紹介されていた本が新版として復刊された。ナチスのT4作戦の理論的根拠となった著作と、訳者二人による批判的考察からなる。まずビンディングとホッヘによる原典を読んでみれば、精神障害への言葉選びが特に強くてげんなりする(内容は独断と臆見に満ちたものでしかないにしても)。また安楽死肯定理論の根拠付けに優生思想よりも、第一次大戦の敗戦後の経済が強くおかれているのが興味深い。と同時に、いまの日本の問題もある程度は経済で落ち着ける、と考えてしまうのが痛し痒し。2020/10/09

古川

9
1920年に発表された論文「生きるに値しない命を終わらせる行為の解禁」の全訳と、その批判的考察の二部構成になっている。論文はナチスの障碍者安楽死政策の参考にされたとされるが、論文自体には人種差別的要素はなく、障碍者を生かすことの経済的損失ばかりを問題にしている。これには第一次大戦敗戦直後のドイツの荒廃への危機感が強く影響しているようである。考察では橋田壽賀子の安楽死要求などとも絡めて「能力差別」批判を展開するが、「どんな老人や障碍者にも役割がある」という主張はどこか白々しさが漂う。ただ資料としては面白い。2021/05/06

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

8
さらに重苦しく気が滅入る本が続く。しかし成田悠輔の発言(https://www.nytimes.com/2023/02/12/world/asia/japan-elderly-mass-suicide.html )を受けての読書なのでやむを得ず。あるいはやまゆり園事件についていい加減向き合う時と思った。と言うことで100ページ程度の小著でもあるので人道主義者やヒューマニストを自負する人は本書を読んで論破しよう。 原著は1920年、邦訳は2001年、この新版は2020年。→2023/02/14

かみかみ

8
1920年にドイツの法学者と医師が発表し、ナチドイツの障碍者安楽死政策「T4作戦」の理論的根拠となった論文「生きるに値しない命を終わらせる行為の解禁」の全訳に解説を付した本。「(特に精神面で)重度の障碍を負う者の命を絶つことは善行であり慈悲である」と説く著作が現実に存在したことに戦慄した。ただ。WW1直後という時期の論文であることは留意する必要がある。他者だけでなく当事者が「社会や周囲に迷惑をかけたくない」という理由で安楽死を希望することも優生思想に繋がるとしており、安楽死問題はアポリアであることを痛感。2021/05/17

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