中公選書
マーサ・ヌスバウム―人間性涵養の哲学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784121100177
  • NDC分類 133.9
  • Cコード C1310

出版社内容情報

現代リベラリズムの旗手として多岐の活動を行う哲学者の人と思想を明かにし比類なき魅力を伝える。人生の豊かさを取戻すために!

内容説明

正義論で名高いジョン・ロールズやマイケル・サンデルと並び世界的な知名度を持つ哲学者ヌスバウム。その思想分野は、西洋古典研究、国際開発論、リベラリズム論、フェミニズム論など多岐にわたる。本書は現代を生きる彼女の半生と思想の特徴を、キーワードをもとに明らかにし、類例なきその魅力を伝える。

目次

第1章 哲学者へのあゆみ(「ワスプ」としての生い立ち;俳優業から古典学へ;ハーヴァード大学からブラウン大学へ)
第2章 国際開発論とのであい(現代リベラリズムの潮流;アマルティア・センとの共同研究;ヌスバウムのケイパビリティ・アプローチ)
第3章 法と政治の哲学へ(シカゴ大学ロー・スクール;「法と文学」への接近;ジョン・ロールズへの挑戦状)
第4章 書評家ヌスバウム―フェミニズムの文脈のなかで(現代フェミニズムの潮流;「開発と女性」から;ジュディス・バトラー批判)
第5章 ヌスバウムの思想(新アリストテレス主義;政治的リベラリズム;コスモポリタニズム)

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

15
第2章 国際開発論とのであい。ノージックは最小国家主義を唱えるリバタリアン(50頁)。ロールズはリベラリズムで、一方で個人の自由の保障を求め、他方で社会協働の便益や費用の公正分配を求める、ハイブリッド思想。センによるケイパビリティ・アプローチ(CA)からすると、国際開発は、実質的自由の拡大を目的とするべき。貧困はケイパビリティの欠如ゆえ (60頁)。同感。ヌスバウムは政治で人に保障されるべき内容を示すためにCAを用いる(68頁)。 2014/11/01

保山ひャン

2
京都賞を受賞したマーサ・ヌスバウムの半生と業績を時系列的に追った本。ワスプ(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)としての生い立ちを批判的にたどった業績のように思えた。マーサの主要な主張たるケイパビリティ・アプローチというのは、人間の尊厳を中核の価値においた、人々の実質的自由の幅に着目し、人々の福利の指標とするもの。また、ブルカ禁止への批判や、一般教養教育の必要性を説くなど、アクチュアルな発言もされている。巻末のインタビューでは、日本の女性がかかえる育児と職場のかねあいにも注目されていた。まさに!2016/12/19

ソーシャ

2
他の政治哲学の本では比較的地味な印象があるアメリカの哲学者、マーサ・ヌスバウムの思想を一般向けに解説した本。政治哲学やフェミニズムについてある程度知らないときつそうな箇所もありますが、ケイパビリティ概念を中心に彼女の思想とその魅力を分かりやすく解説しています。一般教養教育への思いが特に印象的でした。2014/09/30

えむ

1
現代アメリカを代表する(政治)哲学者のヌスバウムの生涯と業績を概観。特に業績については、その学問的文脈について丁寧に説明しており、前提知識を必要としない1冊。2018/01/06

Yuki

0
セン、ロールズがわかってないとヤバいかなぁ。2018/10/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7286653
  • ご注意事項

最近チェックした商品