中公新書<br> 継体天皇―六世紀に現れた世襲王権の「始祖王」

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中公新書
継体天皇―六世紀に現れた世襲王権の「始祖王」

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121029102
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C1221

出版社内容情報

5世紀以前、複数の王族集団から適格者が即位していた大王。だが6世紀初頭、北陸からヤマト王権の有力豪族の招聘によって、王権との血縁が不確かな継体天皇が即位する。彼はどのような背景を持ち、なぜ即位できたのか。あるいは新王朝だったのか――。
 王位継承後、朝鮮半島の新羅、九州の国造磐井など敵対勢力と向き合い、反乱を収め権威を確立していく。血統重視の世襲による天皇家を創った「始祖王」継体天皇と、6世紀の倭の実態を描く。


【目次】

内容説明

5世紀以前、複数の王族集団から適任者が即位していた大王。だが6世紀初頭、ヤマト王権の招聘によって、王権との血縁が不明瞭な北陸の有力豪族が即位する。継体天皇である。彼はどのような背景を持ち、なぜ即位できたのか―。王位継承後、朝鮮半島の新羅、九州の国造磐井など敵対勢力と向き合い、反乱を収めて権威を確立していく。血統重視の世襲による天皇家を創った「始祖王」継体天皇と、6世紀の倭の実態を描く。

目次

序章 歴史のなかの継体天皇―記紀から教科書まで(即位前後で異なるイメージ;『古事記』『日本書紀』のなかでの理解;中世での姿―『愚管抄』『水鏡』『続古今和歌集』;『神皇正統記』が変えた評価;教科書の記述から消える継体天皇;継体朝の出来事;政治的統一の起源)
第1章 「倭の五王」以降の王権―五世紀末~六世紀初頭(五世紀の王権の展開―二系統から統合へ;変動する王権―北陸集団の台頭;氏姓制度の成立前後)
第2章 継体天皇の出現―六世紀初頭の権力掌握(即位の実態―『日本書紀』の文飾と原伝承;強大化する北陸集団―越前・近江から摂津へ;妻と皇子たち―婚姻による勢力拡大)
第3章 動揺する継体朝の倭国―六世紀前半(朝鮮半島への関与―百済・加耶との連携と諍い;多様な交流―ミコトモチの派遣と仏教伝来;磐井の乱―最大の危機)
終章 継体天皇の「遺産」―世襲王権の確立へ(「辛亥の変」はあったか―継体天皇の死後;継体天皇以降―正統性による統一政権へ)

著者等紹介

河内春人[コウチハルヒト]
1970年東京都生まれ。93年明治大学文学部卒業。2000年明治大学大学院博士後期課程中退。博士(史学)。現在、関東学院大学経済学部教授。専攻、日本・東アジア古代史。著書『倭の五王―王位継承と五世紀の東アジア』(中公新書、2018年、古代歴史文化賞優秀作品賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

15
継体天皇が現天皇家の「始祖」であると同時に、日本ではじめて世襲王権としての王朝を打ち立てたということの意義を示した書。文献の記述の分析もさることながら、考古学による成果との接続も整合的にできている感じである。磐井の乱が磐井が起こしたというよりも王権が磐井を挑発したという側面が強いこと、また継体と磐井との関係、「辛亥の変」をどう読み解くかといったあたりが読みどころだろうか。2026/05/26

不純文學交遊録

9
応神天皇五世の孫から即位したとされる継体天皇。本書が提示する王権の継承については異論も大いにあるだろうが、記紀の空白を埋める『上宮記』系譜の解釈や、継体天皇の実名の推定は興味深い。即位後20年も大和に入れなかったのは反対勢力による妨害との説が根強いが、本書はそれを否定する。継体朝の歴史的な意義は、世襲王権の確立にとどまらない。氏姓制度や国造制が成立したのは磐井の乱が契機であり、それは大王と豪族との君臣関係の明確化であった。まさしく日本史の一大画期をもたらした天皇である。2026/05/25

coldsurgeon

5
天皇の系統図の中で不思議なかで存在である継体天皇について語る。5世の皇孫という表現の意味が、律令国家の体制で生まれた皇族の定義と関わりがあるらしい。継体天皇までは、いくつかの王族集団が存在し、その中から大王が推戴されていたのだろう。しかし継体天皇以降は世襲王権となった。したがってヤマト統一王家の始祖王となるわけだ。古代日本の謎のひとつが解けるような。2026/05/27

レフラー

2
良かった。 これまでの古代史知識が統合されていく感覚。 氏、姓とか屯倉とか、それなりにぼやんと頭にあったワードが、当時の大王と豪族の関係の中で像を結んだ。 踏み込んだ記述もあり、(武烈天皇はフィクションとか)なかなか興奮した。 あと、飯豊王、めっちゃ重要なんではないかと。生没年はわからぬが、一説に彼女と継体天皇は10歳差であったそうで、なんかここは繋がるんではという気もする。 よくわからんところからいきなり帝位を継いだが重要そうという雑な認識が、古代の各地の力学から改められた。しかして神秘性が消えはした。2026/06/02

源義

1
先入観を廃し極力『日本書紀』に頼らず継体天皇を浮かび上がらせる試みは面白い。異なる王族のグループから豪族達の代表者たる大王が共立される。継体はそのシステムで正統に大王になった。継体死後殯宮儀礼を通じて世襲王権が可能となった。それは今城塚張出部の埴輪から裏付けられる。というのが主旨。緻密に分析をした後で、急にあくまでも可能性…と弱気になったり、一つの仮設の上でババっと論理が展開したりと納得と混乱が混ざったような感想。『倭の五王』も読んで、再読したい。北陸以外の異なる王族グループがあったらいいのに…と思う。2026/06/09

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