中公新書<br> 昭和天皇―「理性の君主」の孤独 (増補版)

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中公新書
昭和天皇―「理性の君主」の孤独 (増補版)

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  • サイズ 新書判/ページ数 480p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121028884
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C1221

出版社内容情報

新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。
しかし、時代はそれを許さなかった――。

本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に注目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。
そしてそれは天皇の実際の振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたか。
旧版に、その後の約15年で新たに発見・公開された重要史料や史実を増補。


【目次】

内容説明

新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。しかし、時代はそれを許さなかった―。本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に着目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。そしてそれは天皇の実際の振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたのか―。旧版刊行後、新たに発見・公開された重要史料や史実を増補した決定版。

目次

第一章 思想形成(東宮御学問所;訪欧旅行;摂政就任)
第二章 天皇となる(田中内閣への不信;首相叱責事件;ロンドン海軍軍縮条約問題)
第三章 理想の挫折(満洲事変;五・一五事件;天皇機関説事件と二・二六事件)
第四章 苦悩の「聖断」(日中戦争;防共協定強化問題;太平洋戦争開戦;終戦の「聖断」)
第五章 戦後(退位問題;講和問題と内奏;「拝聴録」への道)

著者等紹介

古川隆久[フルカワタカヒサ]
1962(昭和37)年、東京都生まれ。86年東京大学文学部国史学専修課程卒業、92年同大学院人文科学研究科博士課程修了、博士(文学)。広島大学総合科学部(専任)講師、横浜市立大学国際文化学部(のち国際総合科学部)講師、助教授などを経て、2006年より日本大学文理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

19
膨大な一次史料を駆使した本格的評伝。参考文献一覧に加え、研究史が簡略にまとめられているのもありがたい。私生活にはほぼ触れていないのにこのボリュームで、昭和天皇がいかに政治的存在であったかがよく分かる。大正デモクラシー期に人格形成を果たし、誠実な立憲君主たらんと志したことは確かだが、著者の言う通り旧憲法に「裏切られた」格好。昭和天皇のまともさよりも大日本帝国の救いようのなさが印象に残った。2026/08/07

バルジ

7
初版を読了済みだが増補版も読んでよかった。本書は初版刊行以後に公開された重要資料(拝謁記、百武三郎日記)を用いた第4章と5章の記述が大幅な厚みを加えている。無論初版時の論稿の骨子は大きくは変わらないものの、戦時中の昭和天皇の様子や戦後「立憲君主」として憲法を逸脱しかねない政治的発言を繰り返していた様子が活写される。改めて読むと昭和天皇は「国家指導者」としてのドス黒い孤独を終生に亘って負い続けていたように見える。戦前も戦後もその指導者としての重圧と責任を負い続けた昭和天皇への共感は尽きることがない。2026/09/04

しまたる

6
新書なのに400頁超えの圧倒的ボリュームの本。昭和天皇に関する史料も書籍も数多あるため、差別化するためか信用できる史料や先行研究を明示しようという心意気が伝わってきた。元首だった戦前20年間に紙幅の多くが割かれ、観念の「天皇陛下」と生身の裕仁のズレにおいて往々にして前者が後者を圧倒し、本人の意向は握り潰されてしまうという内容が多かった。仮に裕仁がもっとイケイケドンドンな天皇だったらどうなっていたのか気になる。程よく周りがとめることで意外と史実と変わらないのかもしれないが。2026/06/18

預かりマウス

5
昭和天皇の青年期の思想形成過程と政治関与/非関与、特に戦争責任問題を主題とした書。新書にしては大部であるが、事情がよくわかった。昭和天皇は常に国際協調志向であったが、立憲君主として政治的決定をしないのが明治天皇以来の天皇のあり方。それでも立憲君主の範疇を超えて事変の拡大を阻止しようとしたことが度々あったことがわかる。しかし政治介入は天皇の権威を傷つけるとして重臣に止められ、強い意見を述べても軍部にはほぼ黙殺される。政府も世論も対外硬一色で天皇は孤立。それで敗戦後は戦争責任を問われるのだから、理不尽過ぎる。2026/10/04

wuhujiang

5
昭和天皇の思想形成過程に重きを置きつつ、戦前~戦中にかけていかに天皇が「時代遅れ」となってしまったかを描く。新書の中では分厚い方だが、論旨が明確で読みやすい。当時最新の学説に接しつつ儒教の思想も取り入れた、理想の立憲君主であり平和主義者であろうとした昭和天皇。しかし、同じ思想を持っていた側近らは次第に引退して天皇の意向は通らなくなり、戦争に向かっていく時代の中で天皇の理想が叶うことは無かったという趣旨。2026/04/30

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