中公新書<br> 明治維新という物語―政府が創る「国史」と地域の「記憶」

個数:
電子版価格
¥1,034
  • 電子版あり

中公新書
明治維新という物語―政府が創る「国史」と地域の「記憶」

  • 提携先に7冊在庫がございます。(2025年07月23日 09時13分現在)
    通常、5~7日程度で出荷されます。
    ※納期遅延や、在庫切れで解約させていただく場合もございます。
    ※1回のご注文は10冊までとなります
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷予定日】
    通常、5~7日程度で出荷されます。

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 新書判/ページ数 264p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121028556
  • NDC分類 210.61
  • Cコード C1221

出版社内容情報

ペリー来航から明治維新に至る15年は、志士や雄藩大名を中心に「成功物語」として語られる。だがこうした英雄史観は、明治政府が自らを正当化するために創り上げた歴史だ。

 勤王をめぐる藩論の分裂、戊辰戦争での幕府方の攻勢、農民の戦いなど、各地で様々な歴史があった。

 本書は、周防大島、飯能、秋田大館、佐倉など幕末維新期を強く記憶に刻む地域の軌跡を追い、時の政治や地域文化の影響を受け、書き替えられ続ける明治維新を描く。

内容説明

ペリー来航から王政復古までの過程は、志士や雄藩大名たちの「成功物語」として語られる。だが、こうした英雄史観は、明治政府が自らを正当化するために創り上げたものだ。勤王をめぐる志士の分裂、戊辰戦争での幕府への協力、藩への強い思慕など、各地で様々な歴史があった。本書は、周防大島、飯能、秋田大館、佐倉など明治維新を記憶に刻む地域を追い、時の政治や地域社会の影響を受け、書き替えられてきた物語の軌跡を描く。

目次

序章 明治維新の「記憶」の正体を求めて
第1章 笠間の「志士」たち―記憶/忘却される者
第2章 四境の役と周防大島―讃えられる功績
第3章 飯能戦争―塗り替えられる記憶
第4章 秋田大館の戊辰戦争―中田家の記録
第5章 旧佐倉藩主堀田家と「開国」―創られる記憶

著者等紹介

宮間純一[ミヤマジュンイチ]
1982(昭和57)年千葉県生まれ。2005年中央大学文学部史学科卒業。12年中央大学大学院文学研究科日本史学専攻博士課程後期課程修了。博士(史学)。宮内庁書陵部研究員などを経て、16年国文学研究資料館准教授、18年中央大学文学部准教授、22年より同教授。専攻/日本近代史・明治維新史・アーカイブズ学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

137
どの国でも現在の政権が成立するまでの歴史を、自らの正当性を証明する史観として語る。明治維新が正しい歴史とされた近代日本では、政府の創った「国史」に従わねばならない世となった。しかし最初から薩長側に味方した藩や人はともかく、旧藩主が幕府高官を務めたり佐幕派として戦った地域は、都合の悪い過去を背負わねばならなかった。そんな歴史的記憶を地方史の編纂を通じて集団的に塗り替え、あるいは書き換える作業が各地で行われたのだ。史実を隠したり意味を変えた例も珍しくないが、みんなが幸せになるためには当然と思われたのだろうか。2025/07/06

skunk_c

77
副題にあるように「国史」が明治政府が創り出した「勤王」を軸とした「物語」(よって「皇国史観」というひとつのイデオロギーの根幹となる)であることは、本書でも序章で『太平記』の楠木正成に関する記述でさりげなく指摘している。そしてそれに対し、「勤王の志士」「長州戦争の周防大島村民」「飯能における戊辰戦争」「秋田大館の戊辰戦争」「旧佐倉藩主堀田家」のそれぞれにまつわるいわゆる地方史(郷土史)の成立過程やその内容を、人物の顕彰や贈位請願の動きと絡めて詳述する。これらをそれぞれの地域の「記憶」と捉えていく。2025/07/04

ピンガペンギン

29
昨年「明治維新」についての本を読んで、もっと何か読みたいと思っていたところに読メレビューで興味を持ち購入。昨年読んだ本(半藤一利他著)と違う意味で面白かった。著者の専門の一つに「アーカイヴズ学」(1980年代からの学問分野)があり、「文書を巡る人々の営為それ自体の検討を重視する」ということだ。戊辰戦争の時に、藩士や民がとった動きや事件は地域ごとに様々だったが、それを明治の時期にどういう記憶として「創造」していくかは各地域にとっての死活問題だった。日本は各地域に独自の文書が豊富にある稀な国だといい、旧家に→2025/06/11

よっち

29
ペリー来航から明治維新に至る15年。様々な視点から勤王をめぐる藩論の分裂、戊辰戦争での幕府方の攻勢、農民の戦いなど、各地の歴史から明治維新を描いた1冊。桜田門外の変を主導した笠間の志士はなぜ評価されたものとそうでない者がいたのか。第二次長州征伐における四境の役と周防大島の住民たちの奮戦、振武軍と新政府軍が戦った飯能戦争、奥羽越列藩同盟との秋田大館での戦い、旧佐倉藩主堀田家と開国など、幕末維新期を強く記憶に刻む地域の軌跡を追い、時の政治や地域文化の影響を受け、書き替えられ続けた様子が伺えて興味深かったです。2025/06/08

さとうしん

20
幕末の地域の動きや人物の活動の記憶が勤王の文脈で上書きされていき、国家の歴史の一部として絡め取られていく一方で、地域においてあくまで佐幕の文脈で語ろうとされてきた旧佐倉藩主堀田家の記憶といったように、明治維新の歴史的記憶をめぐる国家と地域のせめぎ合いを見ていく。本書の記述から、遠い昔の記紀の記述をめぐる朝廷と豪族たちのせめぎ合い、あるいは『三国志』のように特に編者の生きた時代から近い時代を対象とした中国の正史の編纂の様相を連想させられる。歴史的記憶をめぐる動きはいつの時代も変わらないのかもしれない2025/05/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22610703
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品