中公新書<br> 外国人が見た日本―「誤解」と「再発見」の観光150年史

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中公新書
外国人が見た日本―「誤解」と「再発見」の観光150年史

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  • サイズ 新書判/ページ数 274p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121025111
  • NDC分類 689.21
  • Cコード C1225

出版社内容情報

明治初期、西洋が失った「古き良き」文明に魅了された欧米人は、数々の紀行文を記し、その影響で観光客は増加していく。日本側も「外国人の金を当てにするのは乞食同然」「一等国こそ賓客をもてなさねばならない」という論争を経て、国策としてのガイドブック作成、ホテル建設など、観光客誘致に邁進する。しかしそこには常に「見たいもの」と「見せたいもの」のギャップが存在していた。観光客誘致でたどる近代史。

内田宗治[ウチダムネハル]
著・文・その他

内容説明

外国人は何を見たいのか。日本人は何を見せたいのか。明治初期、欧米の案内書では、「古き良き」文明の象徴として箱根の夜道が激賞される一方、日本側のガイドには、近代的な工場や官庁が掲載される。外国人による見どころランキングの変遷や、日本人による観光客誘致をめぐる賛否両様の議論を紹介し、日本の魅力はいったいどこにあるのか、誰がどう発見し、アピールするのかを追う。めまぐるしく変転する観光の近現代史。

目次

第1章 妖精の住む「古き良き日本」時代
第2章 明治日本の外国人旅行環境
第3章 国際観光地、日光と箱根の発展
第4章 第一次世界大戦前後、訪日旅行者増減の大波
第5章 「見せたい」ものと「見たい」もの
第6章 昭和戦前、「観光立国」を目指した時代
第7章 昭和戦後の急成長
第8章 現代の観光立国事情

著者等紹介

内田宗治[ウチダムネハル]
1957年東京生まれ。早稲田大学文学部心理学専攻(社会心理学)卒業。実業之日本社で経済誌記者、旅行ガイドブックシリーズの編集長(台湾語、韓国語版へもデータ提供)等を務めた後フリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

61
明治から現代にかけての日本観光史。ほかのかたもおっしゃっているようにあまり日本人のメンタリティーは変わっていない。また外国人が観光したいと思う日本にはこちらの感覚との大きなギャップがある。日本人には自明のことが決してそうではない。そのことを理解しないと真の相互交流は生まれない。観光業に携わっているかたには何かヒントになるかもしれない。2018/11/08

ホークス

39
2018年刊。幕末から現在までの訪日旅行史。内外の情勢を絡めながら、著者がポイントと思う人物や観光地、観光政策を語る。日光東照宮は、伝統破壊への反省から欧州人に讃美された。後にタウトが酷評(桂離宮は絶賛)すると、日本人も見事に右へ倣え。自分なりの基準を持ちたいと思うが、何でもというのは確かに難しい。明治〜大正は、案内人が旅館やホテルの業績を左右するほど力を持ち、観光政策の足かせとなった。情報の支配がお金に直結する実例。「日本人が見せたい日本」と「外国人が見たい日本」の対比も興味深く読んだ。2023/08/13

壱萬弐仟縁

22
本当に今後もグローバルに見て、日本はそんなに魅力ある旅先なのか。そもそもグローバルに見て、日本はそんなに魅力ある旅先なのか(ⅰ頁)。貧乏人は存在するが貧困は存在しない国(チェンバレンの印象、3頁~)。やっかいなのは、「古き良き日本」というものが、徐々に失われていったものではないのかもしれない、と指摘している(7頁)。古き良き日本の良さについて明治・大正時代の日本人は自覚していなかった、とも(8頁)。一般の外国人が日本国内を自由に旅行できりょうになったのは、明治時代も半ばを過ぎた明治32年(1899)、2019/02/23

ごへいもち

18
明治以降の日本の観光史。特に心に残るものが無かったのは読み方が浅いせい?2022/07/19

おせきはん

14
外国人の作成したガイドブックと、日本人が外国人向けに作成したガイドブックの比較から、明治時代から、外国人が見たいものと外国人に見せたいものにギャップがあることを明らかにしています。昭和初期に訪日外客誘致に取り組んだ際に、外貨獲得を目的としていたこと、江ノ島にカジノをつくることが検討されたこと、親切(おもてなし)こそホテル事業者の唯一無二の武器であると主張されていたことなど、現代と同じようなことが考えられていたのも初めて知りました。2019/03/25

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