出版社内容情報
明治初期、西洋が失った「古き良き」文明に魅了された欧米人は、数々の紀行文を記し、その影響で観光客は増加していく。日本側も「外国人の金を当てにするのは乞食同然」「一等国こそ賓客をもてなさねばならない」という論争を経て、国策としてのガイドブック作成、ホテル建設など、観光客誘致に邁進する。しかしそこには常に「見たいもの」と「見せたいもの」のギャップが存在していた。観光客誘致でたどる近代史。
内田宗治[ウチダムネハル]
著・文・その他
内容説明
外国人は何を見たいのか。日本人は何を見せたいのか。明治初期、欧米の案内書では、「古き良き」文明の象徴として箱根の夜道が激賞される一方、日本側のガイドには、近代的な工場や官庁が掲載される。外国人による見どころランキングの変遷や、日本人による観光客誘致をめぐる賛否両様の議論を紹介し、日本の魅力はいったいどこにあるのか、誰がどう発見し、アピールするのかを追う。めまぐるしく変転する観光の近現代史。
目次
第1章 妖精の住む「古き良き日本」時代
第2章 明治日本の外国人旅行環境
第3章 国際観光地、日光と箱根の発展
第4章 第一次世界大戦前後、訪日旅行者増減の大波
第5章 「見せたい」ものと「見たい」もの
第6章 昭和戦前、「観光立国」を目指した時代
第7章 昭和戦後の急成長
第8章 現代の観光立国事情
著者等紹介
内田宗治[ウチダムネハル]
1957年東京生まれ。早稲田大学文学部心理学専攻(社会心理学)卒業。実業之日本社で経済誌記者、旅行ガイドブックシリーズの編集長(台湾語、韓国語版へもデータ提供)等を務めた後フリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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