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内容説明
2000万人とも3000万人ともいわれる高コレステロール血症患者。しかし、治療が必要なのは、その一部でしかない。科学的根拠のとぼしい診断基準、1000人に2人しか心筋梗塞の予防効果が現れない薬、摂りすぎると身体に有毒なリノール酸を薦める食事療法…。これまでタブーとされてきた問題を新聞協会賞受賞の医療ジャーナリストが鋭く追及。
目次
プロローグ 自分の健康に自信を持てない日本人
第1章 コレステロールとは何か
第2章 次々に覆されるコレステロールの常識
第3章 コレステロール低下剤興亡の歴史
第4章 女性と高齢者のコレステロール値
第5章 食事指導が心筋梗塞を増やす?
第6章 こうして決まった診断基準
第7章 だれが健康を守るのか
著者等紹介
田中秀一[タナカヒデカズ]
1959年東京生まれ。1982年慶応義塾大学経済学部卒業、読売新聞東京本社入社。長野、松本支局、社会部などを経て、1993年から長期連載「医療ルネサンス」を担当。97年に発足した医療情報室(現・医療情報部)記者として、がん、医薬品、生殖医療など健康・医療問題を取材。1998年、「国内初の卵子提供による体外受精」の報道で新聞協会賞受賞。2000年から医療情報部次長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風見じじい
2
新聞記者が書いただけあって、読みやすい本でした。厚生労働省の健康診断の基準になっている数値のいい加減さには腹が立ちますが、結局個人個人が事実を知って自衛していかなければいけないと思います。病院経営や製薬会社の営業的なこと、その裏に製薬会社が特定の医者に対して特別な便益を供与していることが疑われます。また食用油の会社がリノール酸を健康に良いと広告していたことが事実は健康に悪いのではと、企業の広告は信用できなくなります。2015/12/25
Humbaba
2
コレステロール値が高いことは即危険であるという印象が強いが、実際にはむしろ低すぎて問題になることの方が多い。2010/02/14
kinoko
1
3.0点 その時代によって常識が塗り替えられていく・・。何を信じたらいいのか。自分の感覚を信じて、医者に絶大な信頼をおいてはいけないってこと?2011/02/15
たれめー
1
コレステロールについての思い込みがはっきり分かりました。2010/03/17
てんてん
0
とてもわかりやすし、きちんとした取材に基づいて理論的な問題提起をしてあります。人間ドックでコレステロールの値だけで心配している方にはぜひお勧めします。動脈硬化性疾患予防ガイドラインの改定にも結構影響したんじゃないでしょうかね(笑)。医療提供者ではなく、患者さん目線でしっかりした論拠を提示して述べてありすごく貴重な内容です。コレステロールって何かってこともとっても勉強になりました。2016/09/20