中公新書
ナポレオン時代―英雄は何を遺したか

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  • サイズ 新書判/ページ数 336p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121024664
  • NDC分類 235.06
  • Cコード C1222

出版社内容情報

近現代フランス史の大家が、ナポレオンの台頭から没落までをエピソード豊かに描き、後世にもたらされた「遺産」を検証する。

内容説明

若き砲兵将校としてフランス革命に参加したナポレオンは、数々の軍功により頭角を現した。クーデタで政権を奪取し、ついには皇帝に即位。欧州大陸を制覇して広大な帝国を築く。軍事以外にも不朽の事績として民法典の編纂が知られるが、彼の影響力は建造物、室内装飾、ファッションから教育制度などにまで広く及んだ。近現代フランス史の泰斗が、一代の英雄の全盛期を活写し、その「遺産」を検証する。

目次

序章 ナポレオン時代
第1章 権力への意志
第2章 時代はいつも次代を夢見る
第3章 運は女性のようなもの
第4章 栄光を求めて
第5章 建築・施工主
第6章 帝政様式
第7章 帝国の娯楽
第8章 ロマン主義の表象
第9章 没落
第10章 ラシーヌ通りにコサック兵が
終章 一つの時代の終焉

著者等紹介

ホーン,アリステア[ホーン,アリステア] [Horne,Alistair]
1925年、ロンドン生まれ。ケンブリッジのジーザス・カレッジに学び、英国空軍士官として第二次世界大戦に従軍、戦後特派員などを経て著述活動に入る。専門は19~20世紀フランス史。著書多数。邦訳にヨークシャー・ポスト紙の年間優秀図書賞およびウォルフソン文学賞を受賞した『サハラの砂、オーレスの石―アルジェリア独立革命史』(北村美都穂訳、第三書館)がある。2017年5月逝去

大久保庸子[オオクボヨウコ]
1950年生まれ。南山大学外国語学部卒業、オハイオ大学大学院およびハワイ大学大学院修士課程修了。翻訳家。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

46
ナポレオンが権力を握った時代を彼を中心にして記述。イギリス人らしくナポレオンには厳しめだが、評価するところは漏らしていない。本書の一番の特徴は、没落期に入る前に、時代の生活や文化についての詳細な記述があるところと、その時代の人々の寸描が充実しているところ。あの有名なアルプス越えや戴冠式を描いたダヴィドに対する辛辣な書き方など、かなり強烈。話題は建築に始まり、ファッションや食事、舞踏会から演劇にまで及び、この点でのナポレオンの功罪を上手く示している。となると街作りについては甥の3世について詳しく見たくなる。2020/10/22

キャプテン

32
★★★☆☆_「世界はきっと、ぼくのものフェア」第十二弾、ナポレオン編。「現代」ってなんだろう。きっと明確に定義が決まっているんだろうな。あえて調べないけど。日本では江戸時代から過去はなんとなく現代感が薄れる。そうやって場所や事柄で、現代と過去の境目が変わる気がする。ナポレオンの登場は、ヨーロッパ史、いや、もっと言うと世界史において、現代と過去を分かつ境目なのかもしれない。それほど、ナポレオンの業務処理能力は高く、合理的だが、本人は割と非合理な性格をしている。そんな稀代の英雄を不思議に身近に感じられる一冊。2019/11/01

かごむし

32
イギリスの著述家が書いたナポレオン。英雄という響きから、どうしても一個人の資質に目が向いてしまいがちだけれど、この本では、ナポレオンが、軍人としての頭角を現すところから、セントヘレナで孤独の死を迎えるまでを、彼を取り巻く社会との関連の中でとらえていくから、読みごたえがあって面白かった。近代ヨーロッパ小説なんか読んでいると、フランス革命、ナポレオン時代というものが様々に評価されるが、なるほど事件であったのだなと思う。ヨーロッパ人の表現なのか、前提の知識の差なのか、翻訳のせいなのか、少し読みにくい部分はある。2019/10/24

fseigojp

21
戦争と平和の復習用 名著だった2018/01/06

もえたく

19
軍人ナポレオンの功績ではなく、ナポレオンが統治者として影響を与えた建築物、芸術、ファッション等を描いた評伝。ナポレオンの睡眠時間は3時間と聞いた事があるが、それも納得できるエピソードが満載。遠征でパリを離れても、ある高級官僚に凱旋門はどうなったのか?修道院は取り壊したか?等と手紙を書いていたとか。演劇は大衆的でなければならないからと無料入場券の配布枚数に口を挟んだりとか。異なる側面が見えて興味深かったです。2018/02/10

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