中公新書<br> 日本恋愛思想史―記紀万葉から現代まで

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中公新書
日本恋愛思想史―記紀万葉から現代まで

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  • サイズ 新書判/ページ数 243p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121021939
  • NDC分類 910.2
  • Cコード C1295

内容説明

日本人はどのような恋愛をしてきたのか―。記紀万葉の時代から公家文化、武家文化、町人文化の時代を経て、近代の恋愛結婚至上主義、戦後の純潔教育、性の解放へ。恋愛研究の第一人者である作家・比較文学者が、古今東西の文献を博捜し、古典的名作から戦後の通俗小説、映像作品まで目配りしつつ圧倒的なスケールで描く、比較恋愛思想史の決定版。『“男の恋”の文学史』以来一五年におよぶ研究の集大成。

目次

1 思想としての恋愛(恋愛輸入品説と十二世紀西欧の発明説―どう間違っているか;古代恋愛文藝の東西;日本の公家文化とトゥルバドゥールの時代;ルネッサンスと徳川文化;西洋近代の恋愛思想)
2 恋愛と日本の近代(明治期知識人の混乱;「恋愛結婚至上主義」への道;戦後の純潔教育のなかで;性の解放と近世の美化)

著者等紹介

小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年、茨城県生まれ、埼玉県育ち。87年、東京大学文学部英文科卒業。97年、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。学術博士。90~92年、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学に留学。94年より大阪大学言語文化部講師、助教授、国際日本文化研究センター客員助教授などを経て作家、比較文学者。2002年、『聖母のいない国』でサントリー学芸賞受賞。09年、小説『童貞放浪記』が映画化、10年、「母子寮前」が第144回芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

51
著者のライフワークである恋愛がいかに語られてきたか、の最新版。恋愛が世界や日本の文学などでどのように語れているかをまとめてある。この著者の最近の作品にしては正直いって水増し感が無いので実におすすめである。恋愛強者からの恋愛結婚至上主義への異議申し立てを行う長年の著者の労力の賜だ。同じ国の文化でも階層というものでずいぶん違いがあるはずだが、その階層のことを指摘するのは現代では難しくなってきているようだ。単純に多数決で判断するものでもない。恋愛という非常に個人的な行為は、時代の変遷もあり判断が難しいと実感。2016/08/20

isao_key

8
文学を通してみた日本人の恋愛について取り上げている。文学以外に評論、マンガ、海外文学との比較も論じられている。日本文学が専門の先生でも、ここで取り上げれれている本を読んでいる人は少ないだろうと思うくらい幅広い大生の文学を読み、語っている。時折挿入されることばの知識が楽しませてくれる。プラトン『饗宴』は、ギリシア語でシュポージオーンであり、酒を飲まずにシンポジウムと称して討論するのは本来はおかしいとか、「ア・カペラ」というのは、教会では伴奏なしの讃美歌を歌ったからで、ラテン語で「教会で」という意味だと言う。2016/03/03

及川まゆみ

7
この人の本は初めて読みました。単純に面白かった。小ネタのオンパレードって感じでした。「菊池寛は中学時代からの男色家だったが、一高時代、男色相手がマントを盗んだ罪をかぶって退学になり京大へ行った。菊池は醜男だったから、恋愛など夢想せず、親の勧める相手と結婚した。(略)文壇の大御所となり、あちこちに愛人を作った。しかしそれも金の力だと思うと、菊池は虚しいものを感じた」このネタが一番のヒット(笑)。すげーなおい。「めぞん一刻」ソープランド論争も面白かったです。与謝野晶子の解釈も興味深いです。情報量の多い本。2014/06/30

   ぬ

7
読んでよかった、これは凄い新書だ、とおもった。以下に3点理由を述べる。1、文学を通した文化史的な著作として、この分量でこの参照文献量で索引付きで一貫した態度(例えば〇〇という特徴をもつ「恋愛」なるものは××という範例に見られるように△△の契機に構築された、といった議論の相対化や、近代の「恋愛結婚至上主義」の覇権性といった著者の観点など)は、教科書/叩き台として貴重な水準であるように思われたから(要約的に、ともすれば断定的に示された本書の記述を、諸文献を渉猟しながら検討し直せば、相当くわしく学べると思う)。2014/04/07

読書実践家

6
世界文学と比較しながら、日本の恋愛論を展開する。光源氏、和歌、男色や少年愛、江戸時代の人情本、「青い山脈」や「ノルウェイの森」など、古今にわたり日本の恋愛文学を浮き彫りにしていく。2016/03/28

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