中公新書
武士の町大坂―「天下の台所」の侍たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 249p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121020796
  • NDC分類 216.3
  • Cコード C1221

内容説明

「町人の都」と言われる大坂。だが、大坂に武士がいなかったわけではもちろんない。後世、その存在が「消されて」しまったのである。本書は、新発見の大坂図屏風、大坂の武鑑、西町奉行所見取り図、奉行新見正路の日記などを紹介しながら、大坂の武士たちの人数、役職と仕事の内容、食生活や年中行事など日々の暮らしぶり、文化人との交流に至るまで、知られざる大坂の武士の全貌に迫る。

目次

第1章 武士は何人いたか
第2章 『大坂武鑑』は語る
第3章 『浪華御役録』を読む
第4章 西町奉行役宅を覗く
第5章 大坂城の内と外
第6章 ふたりの与力
第7章 大坂暮らし
終章 「町人の都」と「武士の町」

著者等紹介

藪田貫[ヤブタユタカ]
1948年、大阪府生まれ。1971年大阪大学文学部卒業。同大学院修士課程・同大学助手・京都橘女子大学を経て、90年関西大学文学部に教授として着任。現在、同大学文学部教授兼大阪都市遺産研究センター長。専門は日本史、とくに江戸時代(近世)の社会史・女性史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mitei

227
江戸時代の大阪について東京のアンチテーゼとして後に商人の町というようになったのだなと勉強になった。意外と武士の数も多くて司馬遼太郎でも大阪の武士の人数は数百人程度とか言うのは明らかに珍説なんだなと知った。そりゃ豊臣氏が居た頃からの大坂だからそうだろうなって思う。2020/11/18

HMax

28
人口35万人の大都会に僅か200人の武士。何も考えずに信じていたが、大坂城はもちろん、多くの蔵屋敷がある大都市を僅か200人の官僚で支えることができる訳がない。実際には8000人いたそうだが、それでも50%が武士の江戸とは比べるまでもない。江戸と大坂、東京と大阪の比較の中で、上意下達の東京ではなく、大阪は市民の町と対抗心を燃やしていた。「お奉行の名さえ覚えずとしくれぬ」というものの、半年に1回行われる町衆のお奉行さんへの挨拶時に集まる収納金がなんと半年の給料よりも多い。2020/12/05

浅香山三郎

18
大坂の町に本当に武士は僅かしか居なかつたのかといふ疑問を起点に、軍事拠点大坂城の防衛人員、奉行所、蔵屋敷、幕府領の代官たちなど、今まで十分に議論されてゐなかつた武士の町としての側面を史料を博捜して論ずる。武鑑類や奉行の日記から、大坂での武士の存在感が改めて浮き彫りになつてゐるのが面白い。2020/02/17

のれん

13
大坂の武士というと豊臣家が出るあたり、確かに江戸時代の大坂に武士のイメージは薄い。 元々幕府から武士が派遣され、城代の基で厳しく管理されていて(祭日には禁足令のようなものが出たらしい)、武士として関わることが薄かった。 近代では、江戸=東京もんとは違うことを示すために町人意識を高めること拍車をかけた。大阪気質はこの辺から変わってないらしい。 納得できる点はあったが、大阪の武士というテーマが漠然としていて色々な方向から攻めてまとまってない印象。文献引用はあるが、少々大仰に断定口調であることが気になった。2020/12/13

火烏

4
大阪の中の武士の町、町人との接点とか町人からの評伝がないのでどこか別世界の話を読んでいるようだった2011/01/17

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