内容説明
一九八二年、オーストラリアの医師二人が発見した「ピロリ菌」。三〇年近く経った今、胃の病気に関する常識は根底から変わった。胃炎、胃潰瘍、胃ポリープ、さらには胃がんに至るまで、もはやピロリ菌抜きでは説明できない。ピロリ菌感染の診断および除菌方法から、胃の病気の最新治療法、さらには胃がんを撲滅する道筋まで、第一人者が明解に解説する。東アジアの強毒性ピロリ菌に悩まされている日本人、必読。
目次
第1章 胃の仕組み
第2章 ピロリ菌革命
第3章 胃の病気
第4章 胃がんの最新知識
第5章 胃がんの予防
第6章 胃がん撲滅へ
著者等紹介
浅香正博[アサカマサヒロ]
1948(昭和23)年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。専門は消化器病学、臨床腫瘍学。医学博士。北海道大学大学院医学研究科中央研究部部長などを歴任し、2007年4月より2010年3月まで北海道大学病院院長を務める。現在、北海道大学大学院医学研究科消化器内科教授、日本ヘリコバクター学会理事長、日本がん予防学会会長、日本消化器病学会理事、日本内科学会雑誌編集主任。主な受賞歴に、高松宮妃癌研究基金学術賞(2009年)、朝日がん大賞(2009年)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ココアにんにく
2
以前に類書を数冊読んでいましたが、理解があいまいだったので少し出版年が前ですが本書も手に取りました。ピロリ菌とは何か、胃痛の種類など気になっていました。H2ブロッカーのことも知ることができた。2017/05/09
乱読家 護る会支持!
2
先進国を中心に胃癌の罹患率が減少している。原因は食生活と衛生環境の変化により、胃癌の原因とされるピロリ菌に感染している人が減少しているため。でも、50代以上の人は、ほとんどがピロリ菌を持っているので、やっぱり毎年ガン検診(出来れば内視鏡検査)を受けませう!( ̄ー ̄)2015/05/08
ロッシ
2
胃癌の原因は、ピロリ菌の感染である。今の50代以上の人の7、8割は、ピロリ菌に感染しているという。戦前、戦後直後の上下水道は、十分に整備されていなく、劣悪な衛生環境だったからだそうだ。しかし、服薬することで、簡単に除染することができる。50代未満の人も検査する必要があると思う。なぜなら、家に井戸があり、生活用水として使っていた人は、上下水道の整備に関係なく、感染の可能性がある。上記は私のケースだが、他にも原因となることがあるだろう。一度、癌検診を受診しておきたいものである。2012/11/07
Teppei Nakano
0
前半は器官としての胃の仕組みと胃の病気(胃炎、胃潰瘍、胃がんなど)を解説。後半はピロリ菌と上記疾病の関わり、そしてピロリ菌の除菌による各病気の予後改善もしくは一次及び二次予防における効果を解説。日本の国民病とも言える胃がん、中でも早期胃がんの発見に全力を注いできた先人達。バリウムによる二重造影法を用いた間接撮影検査も日本人技師の技術は凄かったんだね!でも、それもピロリ菌の発見とその除菌法の確立により、胃の病気の発症自体を激減させられる時代になってる。凄いことだね!今の若い世代のピロリ菌感染率は低いが、団塊2012/09/14
chick
0
読みやすく分かりやすかった。しかし、一部重複している部分があるように感じた。また、バリウム検査は今後はどうあるべきなのかが気になった。もはやバリウム検査はハイリスク低リターンとなってしまったようではあるが、ステルス胃がんはバリウム検査でないと発見が難しいという。どうすべきなのだろう。2011/11/19