中公新書
大衆音楽史―ジャズ、ロックからヒップ・ホップまで

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  • サイズ 新書判/ページ数 276p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019622
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C1273

出版社内容情報

人間の移動と文化接触がアメリカとヨーロッパにどんな音楽的変化をもたらしたか、という視点からポピュラーミュージックの歴史を見る

内容説明

日本にも多大な影響を与えてきた欧米のポピュラー・ミュージック。さまざまな場所で作曲・演奏され、受け入れられてきたその全ての事象を網羅することは困難だが、大きな流れというものは存在する。本書は、人間の移動と文化接触がアメリカとヨーロッパにどんな音楽的変化をもたらしたかという視点から、ジャズ、ブルース、ロック、レゲエ、パンク、ヒップ・ホップを中心に音楽史を編もうという試みである。

目次

第1章 ポピュラー・ミュージックの登場
第2章 黒人音楽―ジャズとブルース
第3章 ロックンロールと若者文化
第4章 パンク・ロックの抵抗
第5章 レゲエ
第6章 モータウンとヒップ・ホップ

著者等紹介

森正人[モリマサト]
1975年(昭和50年)、高松市に生まれる。関西学院大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程修了。現在、三重大学人文学部准教授。博士(地理学)。専攻、文化地理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カイロス時間

10
音楽はかつて人々の生活の中にあって、労働や宗教と結びついていた。資本主義が発達する過程で音楽は商業化されて、現代人が受け取るのは基本的には商品としての音楽になった。商品以前の音楽に憧れを抱くこともできるし、商品になることでより洗練された音楽を楽しむこともできる。どう反応するにせよ、音楽がそういう道筋を辿ってきたのだと知ることで、これまで聴いてきた音楽、これから聴くだろう音楽に対して違う角度から感想をもてるようになる気がする。パースペクティブが一つ増えたと気づいたら、それは歴史を楽しんだことの証なんだろう。2021/08/15

gorgeanalogue

4
「文化接触」をキー概念に音楽の資本化/逸脱の歴史を概観する。面白い指摘もあるが、おそらくそれらもカルスタ本たくさん読みました、ということなのだろう。それはバンド名の表記にも露呈している。ご本人がそれらの音楽をいかに愛していたかは文章からは感じられず、「音楽的」な魅力には乏しい。せめてもう少し歌詞の引用を軸にしたほうが良かったのでは。「リング・マイ・ベル」がジャマイカの選挙運動で使われたというのは興味深い(200ページ)。ただここでもセックスソングが政治的に「読み替えられた」というところが肝なんじゃないの。2019/07/28

1959のコールマン

4
☆2。う~~~ん。イントロ、アウトロでは色々大きなコト言っているが、中身は既存の文献からの引用が中心。それぞれの項目がバラバラで、関連性が希薄だ。試みが成功したとは言えない。情報も所々に?がつくところがあるし・・・。大衆音楽史と言いながら英米中心の歴史だし(ブラジルは?)。あと、ラップの部分ではプロフェッサー・グリフの件、アイス・キューブの「ブラック・コリア」の件、スパイク・リー監督の映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』なんかも記すべきだと思うが・・・。トリーシャ・ローズの「ブラック・ノイズ」読んでみるか。2019/03/10

左手爆弾

4
音楽ライターでも、ポピュラー音楽史の専門家でもなく、人文地理学の専門家による大衆音楽史。「反抗」や「解放」という美しいイメージばかりで語られる大衆音楽史を社会や経済との結びつきで読み解く。王侯貴族ではなく、市井の人々が味わっていた音楽、街角のストリートミュージシャンが徐々にパブや音楽ホールに進出していく姿を描く。当たり前だが、資本主義の台頭と大衆音楽は極めて固く結びついている。多くの音楽は商品化されることによってのみ、大衆の心を掴んだ。芸術的なもの、孤高の音楽は支持を広げていくことがない。2017/12/25

さえきかずひこ

2
手つきは端正で英米を中心にしたマイノリティによって生まれたポップ音楽をジャンル別に整理している。あきらかにことば遣いはポストモダニストで、対象への冷静さを保っている。読み進めれば確かに未知の事実の発見がある。しかし読み終えたときのこの満たされなさはなんだろうか。商品と作品の間で葛藤する大衆音楽の在り方について今更指摘したところで何の批評性もないからだろうか。ジャズやロックの煽動的な物語についての対抗言説を作るのが本書執筆の動機だったようだが、あまりに冷静すぎるとしか言いようがない。2009/06/07

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