出版社内容情報
謎の女・本荘幽蘭。それを調べる女子大生や資料を集める古本屋。やがて周辺には戦前の特高警察の姿や贋作グループなど気配が漂い始める。著者得意の古本小説!
内容説明
古本をめぐる怪しき面々、元特高警察、贋作グループなどなど、騒動は明治から昭和へ!日本からドイツへ!古本小説の最新作。
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944年、茨城県生まれ。作家。古書店主。中学卒業後、上京し古書店に勤め、73年より古書店「芳雅堂」(現在は閉店)を営むかたわら文筆活動を行う。92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞、翌年『佃島ふたり書房』で直木賞、2015年『短篇集半分コ』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみえ
5
物でも人でも過去の探索はとても面白い。最終的には仮説となるが、真しやか?が堪らない。幽蘭のような人物は今では精神科領域で終わってしまうが、大発見にならない人物を追う"酔狂"が楽しい。最後のバブルが荒らした街の情景にはグッときた。出久根さん古書小説もっと書いてください。2016/03/22
wasabi
4
奇行の女性・本荘幽蘭。相変わらず著者の人物選択は恐ろしくマニアックだ。「知る人ぞ知る、されど知る人を知らず」かな。著者は最後にあっけなく幽蘭追跡が決着したと括るが「はへ?何をもって決着???」そもそも幽蘭にスポットを当てているようで、松本道別(ちわき)やら大町桂月やらについて学ぶことが多い。それにしても、主要な登場人物の消息なり、ドイツの古城の謎なりが、バブル崩壊とともにすべて消失するという、うやむやな結末に「またですか」と凹む。大円団は望まないまでも、相応のケリを付けていただかないと消化不良が募る。2016/04/14
ちいくま
0
前回読んだ芦原将軍も、ですが。この女性も実在だよね?どこからがフィクション?どこまでが事実なの?と最後まで「謎の」多いお話でした。読んでる間、本当に別の空間別の世界へすっぽり入り込んでしまえる至福の体験を味わいましたー。昭和の雰囲気満載。2017/06/02
ままりん
0
昔は収集するのに手間がかかって大変だったろうな だけど仲間との結びつきは楽しそう2016/05/06
はなもんも
0
出久根さんの古本の話はやっぱり面白い。2016/05/07
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