出版社内容情報
現役の檜皮葺き職人がつづる「屋根から見た日本史」。縄文時代から現代まで、屋根のデザイン、雨漏りや重量との戦いの歴史を解説。
内容説明
城郭や寺社を訪れるとき、まず目に入るのは屋根である。遠くからでもキラキラと光って目立つ屋根は、権威や崇高ささえ感じさせる。このような日本の屋根は、どのようにして発達してきたのだろうか。葺材の重さに耐え、雨漏りと戦いながら、職人たちの創意と工夫によって素材や構造を進化させ、独自の美を生みだしてきた。国宝等の修復を数多く手がけてきた檜皮葺職人が、自らの経験をふまえて語る屋根の通史。
目次
序章 屋根のフォークロア
第1章 大陸への憧憬
第2章 貴族文化と屋根
第3章 和様美の定着
第4章 戦国時代の職人たち
第5章 江戸の屋根文化
第6章 合理化、画一化の時代
著者等紹介
原田多加司[ハラダタカシ]
1951年(昭和26年)、滋賀県近江八幡市生まれ。大学卒業後、地方銀行勤務を経て、1982年、家業の檜皮葺師・柿葺師(創業1771年〔明和8年〕)の10代目・原田真光を襲名。国宝・重要文化財など指定建造物の修復を多数手がける。(社)全国社寺等屋根工事技術保存会副会長などを歴任。建築修復学会会員
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感想・レビュー
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ととろ
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日本史にせよ世界史にせよ、歴史を辿る際には何か一つ、軸があると理解がスムーズになります。本書の場合は日本の屋根を軸に、縄文時代から現代に至るまでの屋根の歴史を辿ります。そして日本の屋根文化を育てたのは神社建築と寺院建築。となれば、神社仏閣の建築史も同時に辿ることになります。筆者の立てた仮説もなかなか的を射ていて、史実を別の角度から視ることができました。2010/10/10
Riko
0
図書館で借りた2010/07/02
わ!
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屋根は本当はそんなに簡単なものじゃない。形は「切妻(きりつま)」なのか、「寄棟(よせむね)」なのか、はたまた「入母屋(いりもや)」なのか。葺は、「茅葺(かやぶき)」なのか、「檜皮葺(ひかわぶき)」なのか「杮葺(こけらぶき)」なのか、それとも今では一番多い「瓦葺(かわらぶき)」なのか?そのそれぞれに風景があり、機能があり、意味がある。実は屋根とは、そこに住む人からすれば、風除け雨除けのアイテムでしかないかもしれないが、建物を見て、町を見る人からすれば、とても重要な風景なのだ。2014/08/05
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- 和書
- 解読教行信証 〈上巻〉