内容説明
良質なワインは何に由来するのだろうか。かつては、ボルドーやブルゴーニュだけが永遠に偉大な産地だとする銘醸地信仰があった。第二次大戦後、醸造技術の進歩と品種の世界的拡散によって風土の壁は乗り越えられ、新興産地が続出した。知識と技術を手にしたつくり手たちは、本当につくりたいものが何かを明確化してワインづくりに邁進している。日本のワイン水準を飛躍的に高めた醸造家が、酒づくりの到達点を示す。
目次
プロローグ 銘醸地は動く
第1章 産地―ワインは風土を反映するものなのか
第2章 技術―科学技術の進歩はワインをどう変えたか
第3章 品種―偉大なワインを目指すブドウに究極の品種はあるのか
第4章 テロワール―銘醸ワインは「はじめにテロワールありき」か
第5章 つくり手―ワインが表現するものはなにか
エピローグ 典型と偉大をめぐって
著者等紹介
麻井宇介[アサイウスケ]
本名・浅井昭吾。1930年(昭和5年)、東京に生まれる。1953年、東京工業大学工学部卒業。メルシャン株式会社を経て、現在国立民族学博物館共同研究員、酒造技術コンサルタント。元山梨県ワイン酒造組合会長
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感想・レビュー
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concreteseijin
1
甲州の地のワインは此処に息づくものたちの慈しみをして極上に到るのである。2016/03/11
シバヤコ
1
ぜんぜん知識が足りず、歯が立たなかった。ワインづくりにおいて、産地だけでなく、人も大事だ、とのこと。今のコーヒーの流れは、テロワール志向が高いので、ワインと同じ道を数年遅れで辿ってるんだ、との気づきはありました。2015/10/27
David_i516
0
このワインはボルドー産あるいはブルゴーニュ産だから優れている、ニューワールドだから劣っている、などという優劣は存在しない。いい産地はどんどん動き、変わっていく。そのことに飲み手が気づき、凝り固まらないことが肝要なのだと気づかされる。"銘醸地が地理的に確定された「約束の地」に存在しつづけるものではなく、また名声を謳われた銘醸ワインが歴史的に「不滅の姿」を維持しつづけられるものでもない"、そして「このワインは◯◯の典型だね」などと評するのは"ひとときの仮の姿でしかない"のだということ。忘れてはならないと思う。2017/01/12
おりぼ
0
「ドアを開ければ、たとえ暗くても、自分が小さな教会にいるのか、大聖堂にいるのかは、わかるものだ」2016/09/28
concreteseijin
0
山梨(県)甲州(市)勝沼 山利*木甲州勝*沼 勝利を包含 wine win:勝利 田の勝者:khettajina 天空の田=葡萄畑=神々の田:divyam‥khettam2016/03/14