内容説明
少年犯罪は悪化しているのか。厳罰主義は本当に有効なのか。本書は、立法の基本理念や運用手続きの実際を解説し、改正問題の論点など少年法の将来を展望するものである。
目次
序章 少年法について考える
第1章 戦後日本の犯罪現象・非行現象を観察する
第2章 少年法が定める保護手続きの内容を概観する
第3章 少年法が目的とする「健全育成」について考える
第4章 日本と欧米の少年法制を比較する
第5章 少年法と国際準則との関係を考察する
終章 少年法の将来を展望する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アルゴン
3
★★★★ 少年法の基本理念・手続き・国際的な動向(1999年現在)がわかる本。少年が非行を行うのは情報の不足・経験の不足によるものも多く、矯正可能性は十分にあり、成長発達権を認めてやるべきというのはその通りだと思います。しかし「自分は少年だから人を殺しても大丈夫」という輩には相応の対応が必要ですし、被害者に対する保護も少年に対するのと同様に手厚くしていきたいものです。2015/05/06
たらこ
3
この本を最初に読んでおけば良かった。法律専門家から少年法を論じた本。基本的な骨子が丁寧に説明されている。改正前に執筆されているが、追記で改正後についても少し触れている。基本的には法律は外枠、更正の中身は家裁調査官等のケースワーカーに、といった内容。2010/06/15
新橋九段
1
一読して理解できるほど簡単な問題じゃないというのはよくわかったかな。処分にも色々と種類があるみたいだし。2015/02/23
Skywriter
1
少年法の成立している法的な思想から運用面に至るまで、丁寧に論じられている。私は厳罰主義者ではあるし、性格の遺伝性を考えると無茶な提言があるとは思うが、議論のベースとしてこういった冷静な立場の本があるのは価値が高いと思う。2010/06/07
抹茶ケーキ
0
少年事件の統計から始まり、少年法と福祉法の概説と運用の実態を述べて、パターナリズムについて書いて、最後に当時の少年法改正をめぐる議論の紹介をする。バランスがよくてとてもわかりやすいと思いました。2015/11/07




