内容説明
明治初年に始まった海外移民は高度成長期まで続けられ、北米、南米、ハワイへの移民輸送は日本の海外定期航路の基盤となった。この間、国策と移民たちの意識は出稼ぎ渡航から家族移住へと変化し、船自体も性格が変わった。「人間を運ぶ貨物船」と言われた劣悪な船内環境は、衛生、居住性を重視した設計へと改善され、現在のクルーズ客船へと発展する。移民たちの夢と不安を乗せて航海した船と船内生活の変化を辿り、移民史の空白を埋める。
目次
序章 笠戸丸
第1章 明治・大正期の移民船
第2章 ブラジル移民全盛期の移民船
第3章 移民船の旅客設備
第4章 蒼氓の船旅
終章 戦後の移民船