内容説明
苦汁に満ちた生を生きながら、道にさすらい、滑稽におどり、うたった朝鮮の芸能者広大(クヮンデ)。彼らは底辺にあって蔑まれつつも、なお、恨多き一生を終えた者たちにこだわり、その慰霊の旅に進んでわが身を投じた。本書は、諧謔の芸人広大を巫俗の世界にもどして、その「声」に耳傾けるとともに、ミャンマー、バリ島に足を伸ばして儀礼と芸能のうちに映し出されたアジアの神々の相貌を読み解く、民俗紀行の試みである。
目次
第1章 おどりうたう道の霊
第2章 うたげの終わるころ
第3章 儺―とりかえしのドラマとして
第4章 死者の道行
第5章 死ぬ女、笑う女
第6章 アジアへ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tama
7
図書館本 申楽衆から発展して 最近摩多羅神についての本を読んだが、申楽衆の守護神で、秦氏が朝鮮から申楽と共に日本に伝えたその内容が、本書に描かれた朝鮮の巫のものと類似部分のあまりの多さに驚いた。翁、面、表に出ない神、雑神、山神、破戒的言葉で出来ている呪文の必要性、etc. 本書は若干「被差別・ジェンダー」に偏りが大きいようだが調べた内容は凄い。西便制という映画は10年以上前にサムルノリ、パンソリの公演に行ったとき「風の丘を越えて」という邦題で見た。音楽として素晴らしかった!2018/03/15
うえ
3
よくわからんエッセイだった 「kのごときは…「ミコと芸能」をやるんだったら夢野久作の『犬神博士』ぐらいは踏まえろよな、と鋭く忠告してくれた」2014/06/25