内容説明
686年9月、天武天皇が崩御する。〓野讃良皇后(後の持統天皇)は草壁皇太子の即位を保留し臨朝称制する。そして翌十月、大津皇子が謀叛の廉で処刑される。その裏には持統天皇の、天武嫡系の皇子による皇位継承をという強い意思があり、藤原不比等との間に盟約を結び協力体制を組む。不比等は何を意図して協力体制を組んだか。本書は盟約の内容と協力体制の歴史上の展開を追い、河内安宿に繋がる人脈を説き、古代史の謎を解く。
目次
第1章 吉野宮の誓約と大津皇子の謀叛
第2章 持統天皇と藤原不比等の盟約
第3章 「藤原宮」の宮号の由来
第4章 「藤原宮」讃歌
第5章 「飛鳥」と「藤原」
第6章 河内安宿につながる女性人脈―「橘」をめぐって
第7章 藤原不比等と河内安宿
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんご
8
昔から藤原京ってなんで藤原氏と同じ名なんだと思ってましたが疑問が解けました 2022/08/04
こぽぞう☆
7
1994年に書かれた本か。この時代が好きな読者にとっては、現在、目新しい内容ではないな。ほとんど知っていることばかりだった。2015/12/27
SABA
2
内容は難しかった。持統天皇、不比等、橘三千代の3人は過去に百済系渡来人に育てられたことがあり、その影響を受けている。藤原の名前は藤井ヶ原という地名の略称で、藤原京もそこの名前からとられているかもしれないけど本当はどうなのだろうか。飛鳥、明日香、安宿、どれも『あすか』と読むが、飛鳥は持統天皇と柿本人麻呂が勝手に考えた漢字?それより昔に白鳥(飛ぶ鳥)を捕まえて、古代の宮廷の池で放し飼いにしたから?そこはよく分からなかった。2023/12/10
ちばっち
2
「飛鳥」がなぜ「アスカ」と読むのかが分かったのが意外な収穫です(笑)持統天皇・県犬飼三千代・元明天皇など女性が政治能力を発揮しためずらしい時代だったのにも驚きました。こんなに持統天皇と藤原不比等の関係が密接なのにいままでそれについて考察する人が少なかった事にも驚きました。2012/07/29
ゆきうさぎ
0
内容は難しかった。持統天皇と藤原不比等の密接な信頼関係は分かった。天智天皇と藤原鎌足にカブる。親子2代で「強権を持つ君主と有能な参謀」という関係を作っているのが興味深い。2013/08/17
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