中公新書<br> 日本の米―環境と文化はかく作られた

中公新書
日本の米―環境と文化はかく作られた

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  • サイズ 新書判/ページ数 231p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121011565
  • NDC分類 611.33
  • Cコード C1236

内容説明

日本の山河は二度にわたる大土木事業の結果である。先祖たちはいかにして大地に刻みをいれ、今日の山、川、平野を作ってきたのか。『水と緑と土』の著者が米を通して日本の歴史を検証。一滴の水も森林も古墳も、さらにはコンピュータに強い現代人の特質までも米の文化の所産であることを説き、日本人が米作りを放棄すれば環境も文化もアイデンティティも失うと警告する。土木の世界に光を当て、農業の価値を新しい視点から捉え直す。

目次

序章 吉野ヶ里はなぜ滅びたか
1 稲は命の根なり
2 米の文化、古墳
3 列島改造の仕上げ、条里制
4 第二の列島改造
5 技術の秘密、和算
6 木を植える文化
終章 風景を読む

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あかつき号

7
著者が出すカレンダーを毎年楽しみにしてるが、本書を読んで、カレンダーのそれぞれの風景がたまらなくいとおしくなった。 日本文化のまさに根底に「米」「稲作」が生き続けているからこその、郷愁を誘う風景があり、心をふるわせる「ごはん」なのだと、思い知った。2014/10/18

ひの

5
ふかーーーいです。日本の文化は、景色は、生活は、、全て米を基準に作られてきた。今はその米を育てる田を潰して回っている。ご先祖様が命がけで作ってきた田を水田を。。。大切にしたい、と思ったらまた、近所の田んぼを潰してアパート建設。うちのアパートも元は田。。お米を食べる習慣を取り戻せないものかと考えてしまう。。これを噛み砕いてわかりやすーーーくしたのが「お米は生きている」だったかな。子供向けの。こちらはもっとわかりやすい。難しい事言わない。2016/06/22

Masaaki Inoue

4
ほぼ20年前の本。著者の熱量がすさまじく、明らかに興奮で筆が走っているのが感じられる。川・森・農地に歴史まで詳しいとなれば、もはやそれは「日本」そのもの!その内容を「だいたい知ってたわ」と言える人はまず居ないだろうと思われます。(私もたくさん勉強になりました)。学書のため読むのに体力は要りますが、農に関わる人にはぜひ読んで欲しい。昨今のコロコロ変わる農業体系(政策・技術・農法・土地所有や集団の在り方も)は、全て先達の数百年に渡る努力の上にのみ成り立っている事、身が引き締まりました。農地を敬うべし!です2021/10/26

ヒコ。

4
日本人を日本人たらしめた米と治水の歴史を概観する。日本人は米のために懸命に堰を作り、木を植えたんだなあ。ところで「浪人・徳島兵左衛門が私財を投じ・・・」のくだりに違和感を感じて調べたら、苗字帯刀を許された商人らしい。無役の侍=浪人という解釈は伊能忠敬の墓碑銘にも見られるが、それと同じか2013/11/07

ののん

4
いま、懸命に農業を守っている農民達のたたかいとは、農業の先行き不安や後継者難、都市化による水の汚染などばかりでなく、人と大地との関係されていたそのネットワークをいかにして守りきるかと言うことなのである。2011/12/28

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