内容説明
イタリアに生れ、フェルミと共に新興物理学のリーダー役を果たした著者は、若くして自然の秘密を実験で明かすことにあこがれ、宇宙線、高エネルギー物理学、地球周辺プラズマ空間、X線天文学のパイオニアとして活躍してきた。戦時中は亡命先の米国で原爆製造にかかわる。「実験によって自然が想像を絶する姿をかいま見せるとき最も興奮する」という実験家の真髄が語られる。付録で夫人が綴る著者の素顔は、本文に彩りを添える。
目次
序章 人生の夜明け―ベネチアへの愛着
第1章 アルチェトリの丘―新しい物理学への船出
第2章 放浪の旅―ファシズムに追われて
第3章 黎明期の素粒子物理学―山上でのメソトロンの実験
第4章 ロスアラモス―原子爆弾
第5章 MIT―宇宙線研究への復帰
第6章 宇宙科学―そしてX線天文学へ
ノラ夫人からひとこと―科学者の妻の体験記
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
62
再読。何年ぶりだろう。実験物理学は、地味? でもその功績は大。ノーベル賞を取り損ねた(?)秘話が面白い。夫人からのひとことが巻末に。長い!2023/10/18
てつこ
1
ブルーノ・ロッシ本人による自伝ということで、彼の研究に対する姿勢や考えが詳細に記されていて、なかなか面白い内容でした。研究成果をさらっと書いてるけど、それがどれほど世界に影響を与えたのかをもっと説明してほしかったな。2016/11/16
sho
1
ブルーノロッシのことは知らなかったが、この本を読んで研究に真摯なロッシの姿がとても印象深く残っています。科学者の歴史は勉強になります。2012/06/02