内容説明
母と子の相互の働きかけは、すでに胎児期に臍帯を通じてストレス・ホルモンを介して始まり、出産の前後に最高潮に達する。出産後は五感によるメッセージが加わって、母子間の相互の交流は深まる。この母と子の〈絆〉は、ともすれば自然発生的に生じると考えられているが、そうだろうか。急激に生活環境が変化した近年、胎児の診断法による成果をとり入れて、〈絆〉に新しい光を照射することにより、その本質と意味とを考察する。
目次
第1章 母への自覚、母へのためらい
第2章 愛情は人を育てる
第3章 母子の絆
第4章 母親から胎児へのメッセージ
第5章 受精卵は生命である
第6章 胚子から胎児への発達
第7章 胎児は聴いている
第8章 大切な脳を守る関門
第9章 胎児の反応と行動を見る
第10章 胎児も夢を見る?
第11章 赤ちゃん誕生と母子相互作用
第12章 眠り、泣き、微笑む乳幼児
第13章 母乳は栄養剤、免疫剤、母子接着剤
第14章 聴覚フィードバックとリハーサル
第15章 豊環境は脳とことばを育てる
第16章 語りかけと応答のすすめ