中公新書<br> 雨森芳洲―元禄享保の国際人

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中公新書
雨森芳洲―元禄享保の国際人

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121009456
  • NDC分類 121.54
  • Cコード C1223

内容説明

朝鮮外交を担当する対馬藩にあって、儒学・漢文に精通し、朝鮮語を自由に話し、中国語会話までこなす南森芳洲に、来日した朝鮮通信使は驚き、称讃の言葉をのこしている。隣りの国と交わるにはまず言葉を知ることが大切だと主張し、言語理論から発して、あらゆる民族・文化の平等を説く芳洲。日本文化の優越を説く国学の台頭と共に忘れさられたこの近代的思想家を現代に蘇らせ、同じ木下順庵門下の白石らとの交遊の中で活写する。

目次

序章 雨森芳洲―忘れられた思想家
第1章 町医者の子
第2章 木下順庵に学ぶ
第3章 対馬で実務見習い
第4章 朝鮮外交に活躍
第5章 思索と教育の晩年
雨森芳洲とその時代略年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

6
元禄から享保に至るまで、朝鮮との外交に対馬半の通訳として交渉を担った雨森芳洲。元々は儒者であり、朱子学者であった。中国語や朝鮮語を学習したのはほぼ独学のようである。朝鮮語では自力で学習書を作成し、3年間で作成したテキストは16冊にものぼるという。また人間としても公正な人物であった。秀吉の文禄・慶長の役について日本側の傲慢さがあったことを批判している。また朝鮮と風俗習慣が異なることに注意せず、日本側だけの考えで相手の言葉、行動を判断してはならないと戒めていた。この時代にあって実に優れた国際感覚を持っていた。2013/07/02

茨木あき

1
芳洲が、今現在の中国や韓国と日本の関係を見たらどんな感想を抱くだろう、どんな外交をするだろうと思った。所々に出てくる新井白石にも興味が湧いた。2024/01/04

シゲリッチ

1
1668年に生まれ、まさに日本は、これから元禄という時代に青春期を過ごし、その類まれなる語学への努力とは裏腹に対馬という辺境の島に赴任後88歳での逝去という、当時では驚異的な寿命をを永らえて、その思想の結晶たる彼の記した本には現在にもつながる先見性あり。2021/08/25

Hisashi Tokunaga

1
雨森芳洲を高く評価し、今芳洲のことを調べているという友人に触発されて読んだ。江戸時代の学者のひとつの「生きざま」を知る事は出来たように思う。当時の日本は知の大国中国が清という漢民族ならぬ異国に滅亡を余儀なくされ、隣国朝鮮は秀吉による文禄慶長の役でそれなりに評価を下された時代背景にあった(思想先進国の弱点が何かをを見出す契機)。そこに対馬という地政学的な政治をつかさどる藩の方役に埋もれたピュアな学者の「生きざま」ということ。この本を読んでやっと埋もれていた野口武彦氏の「荻生徂徠」を読む意欲が生まれた。2020/03/06

Sumiyuki

0
対馬藩に仕えた朱子学者の話。中央に進出することを望むも地方に埋もれた人、として描かれている。2013/02/13

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