内容説明
医療機器や薬品、外科的手術の進歩は、病気の診断・治療に大きく貢献した反面、痛みの診療のために新たな痛みをつくるという逆説をも生じた。“病気”に集中して“病人”を置き去りにしてきたのである。一体、痛みとは何か、そして治療とはどういう行為なのか。本書は痛みの身体的・心理的メカニズムを解明し、米国メイヨ・クリニックでの豊富な臨床体験から、明日の医療を先取りする“痛みのマネジメント”の理論と実際を紹介する。
目次
痛みの生理学
現代の痛み理論
人格の発達と痛み
痛みとプラシーボ
情緒と痛み
痛みの精神分析
家族と痛み
痛みとパーソナリティ
痛みと薬物
ガンと痛み
お医者さんと患者さん
痛みのマネッジメント
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Asakura Arata
5
埼玉で働いているとき、お世話になった先生の本を読み直した。少しは研究が進んでいる事が確認できた。当時が偲ばれる。2025/05/06
舫
1
この本からは、話のネタを多数いただきました。多分、著者の丸田氏が予想もしていなかっただろう話のネタにさせていただきました。
アンパン
1
自分の中の不満や怒りが標的を失うと葛藤が生じ、不満や怒りを持つ自分に今の満たされた生活を楽しむ権利はないという処罰としての痛みが生じる。病人中心の家族の交流パターン:葛藤を表出しない表面的な交流。不確実性の脅威。痛みを人生の一部として受け入れ痛みと共に生き痛みがあっても充実した人生を楽しむことを支援。痛み行動には中立に対応し、健全で生産的な行動の強化に努める。家族にも中立反応をしてもらう。慢性疼痛には頓服ではなく定期内服が良い。痛みとパーソナリティ、お医者さんと患者さん、という章が興味深かった。2020/11/05
Sayuri Abe
1
20世紀の刊行なので話が古い(9章痛みと薬物が好例)部分もあるが、痛みとは何かという命題から始め最後には慢性痛と付き合うための心の持ち方までを言及。一つ面白いと思った事がある。以前レビューを書いた本の著者A.デーケンは「にもかかわらず」という考え方を講演の聴衆や著書の読者に勧めている。本書の最後では痛みのマネッジメントにおける家族プログラムの治療目標の一つとして「痛みにもかかわらず充実した人生を楽しむこと」が挙げられている。つまり痛みの受け容れ方。痛くても出来る事はあり、痛みを理由に「しない」必要はない。2014/12/22
言いたい放題
0
図書館にない2022/06/14
-
- 電子書籍
- 葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王【…
-
- 電子書籍
- 世界史の謎がおもしろいほどわかる本 王…