中公新書<br> 渡来銭の社会史―おもしろ室町記

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渡来銭の社会史―おもしろ室町記

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121008626
  • NDC分類 337.21

内容説明

貨幣を使用するということは大地に拘束される二次元的生活=自然経済から立ち上り、三次元的生活=貨幣的経済への道を進むことであるが、室町時代こそは日本史上初めてこの貨幣的経済への道を切り開き、着実にそれを形成した時代であった。本書はこの時代を、愛欲と煩悩にかられる業のふかい人間が主役の極めて人間味豊かな経済学の視角から、興味あふれるエピソードを交え、国際的視野のもとで展望しようという試みである。

目次

第1章 京に田舎あり
第2章 祇園私祭
第3章 土倉興行
第4章 将軍とかね貸し
土倉とゴールドスミス
第6章 他人の褌で相撲
第7章 えりぜに
第8章 永楽通宝銭

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

司行方

2
渡来銭が出てくるまで結構長いです。オチが結構強引。 渡来銭一覧が貴重、中華王朝はもとより、遼、金、斉、西夏、朝鮮、安南、琉球のものまで載ってます。2014/01/08

印度 洋一郎

1
書名には「渡来銭」とあるが、実際には室町時代の貨幣経済の進展を中心にした日本中世経済史か。中世において、物品の保管が可能な数少ない施設である土倉を持つ倉庫業(土倉と称した)や酒屋が預かった物品を質草にする事で、事実上の金融業者となり、鎌倉幕府や江戸幕府に比べて格段に勢力の小さい室町幕府(だから守護大名への討伐が少なくない)が、その経済力に依存するようになったのがいわゆる「徳政令」の一面でもあったという解説は興味深かった。同時期のイギリスにも「ゴールド・スミス」と呼ばれた金細工職人兼金融業者がいたという。2024/01/27

のらくら Running B.B

0
渡来銭を軸に中世における貨幣経済隆盛の様子を活写する。著者は京都に非常な愛着をお持ちの様子。町衆による祇園祭の開催や町屋の中に組み込まれた自然の話など、室町時代の京都が生き生きとよみがえる記述は大変面白い。金匠原理と「土倉原理」の比較や、分一徳政と土倉の裏にいる金主との関連性など、中世における金融の発達を分析する箇所も大変興味深い。為銭・為米などの遠隔地送金手段の発生が、近代銀行組織の先駆けである両替商の発生にどう関わったのか、問・馬借などの流通業者との関わりはどうだったのかなども知りたい。2013/09/11

ふじ

0
作者は京都市出身の経済学者で、1926年生まれである。何だか僕ん家とそれほど離れていないところにお住まいのようだ。第一章と第二章は京都のことを良く知りたい人のための京都入門ですな。2010年11月16日中井書房。¥300?2010/11/23

おらひらお

0
1987年初版。経済学者が著者であるのに、文章が読みやすい。永楽通宝の話など、いろいろと為になるところも多い。あと、徳政令の話も面白い。2010/08/19

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