内容説明
「蝦夷とはなにか」という問題を含めて、古代東北史の戦後40年間の研究は、質量ともに厖大なものがある。その中で多くの通説や定説が生れたものの、それらは必ずしも厳しい史実検証が行われたものとはいえない。本書は、最近の目覚しい考古学の成果を取り込み、数少ない史料を丹念に検討しなおして、古代史の中でも、最も深い闇の奥底に閉ざされてしまった“まつろわぬ民”蝦夷=古代東北人の実像と、その軌跡の解明を試みる。
目次
第1章 古典の世界に蝦夷をみる
第2章 古代東北、三つの文化
第3章 蝦夷と古代国家
第4章 蝦夷の抵抗
第5章 俘囚・夷俘の行方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fseigojp
12
出羽にくらべ津軽・むつ(岩手、宮城)が抵抗した理由がいまいちわからんかった2022/01/16
(k・o・n)b
4
アイヌ関連の本を読んだ時に「蝦夷」とは何者かという疑問が湧き本書を手に取ったが、結局よく分からず。東北にアイヌ語由来と思しき地名や北海道式の土器が散見されるため、後のアイヌ的な要素を持つ人々が存在したことは確かな模様。だが、文献は国家側のもののみが現存し、「蝦夷」概念は日本版中華思想の誇示のために利用されていた節もある。そもそも「蝦夷」は観念上の存在だとも言えそう。時代が下り国家の東北進出が進むと「俘囚」「夷俘」等観念の細分化が進む。今回は文献中心の古めの本だったので、次は新しめの別観点の本も読みたい。2019/12/10
ゆずこまめ
3
古い本だけど、蝦夷について詳しく説明してある。東北に中央とは違う文化があったと思うとワクワクする。今ではもっと色々なことがわかっているのだろうか。2021/03/09
naoto
3
古代史自体詳しくないんだけど、東北とねるとさらに。東北地方って、日本史でもあまり出てこないイメージがあるんだよな…戊辰戦争で会津藩が抵抗した、くらいかなぁ。蝦夷に焦点を当てての東北古代史。とりあえず、蝦夷には俘囚と夷俘というのがあった、と。2020/10/19
takao
1
ふむ2023/04/02
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- 和書
- 終焉の日 創元推理文庫