感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
「カンタベリの町といえば当時もカンタベリ大聖堂で有名だった。昔時、トマス・ア・ベケットの廟があった。ヘンリー二世と争って斬殺された大司教であったが、聖者に列せられている。ここへ巡礼者が霊験を求めたり、霊験のお札言上のためにやってくる。イギリスでは、ウォルシンガムと並んで、ずいぶん巡礼地として有名であった。こういうカンタベリに因んで『カンタベリ物語』という題名がある。…お詣りする人々が、旅のつれづれを慰めるために道中余興としておなじみの昔話の語りくらべをした。そして、その時の話を集めて一本にしたという趣向」2023/01/09
印度 洋一郎
2
英文学の古典「カンタベリ物語」を、英文学研究者がコンパクトに解説。中世イギリス人にとって、「霊験あらたかな大聖堂への巡礼」という建前半分、本音半分で旅に出掛ける一代イベント(江戸時代のお伊勢参りのように)であった、カンタベリ詣でを舞台にする事で階級社会では珍しい、様々な出自の人達が一同に介して各々の打ち明け話に興じる場を作る。登場する人物の容貌や服装で、当時の文学でのキャラ設定が自ずから読み手にわかるようになっている親切構成だった。聖職者達が結構生臭い話をしているのは、俗化していた世相の反映らしい。2025/12/04
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