出版社内容情報
わけあって故郷に背を向け、孤独に生きる20歳の一郎と24歳の辰巳。魂が惹かれ合うように川辺の町で運命的な出会いを果たした「ふぞろいな二人」に、未来はあるのか?
「おすすめ文庫王国2024」エンターテインメントベストテン第3位の著者が、傷だらけな男たちの〈永遠不滅な絆〉を描いた、胸を打つバディ小説。
内容説明
ふぞろいな相棒。不器用なあいつと俺。「おすすめ文庫王国2024」エンターテインメントベストテン第3位の著者が、20歳の一郎と24歳の辰巳のわちゃわちゃした日々と不滅の絆を描いた、熱く切ない感涙の人生ドラマ。
著者等紹介
三羽省吾[ミツバショウゴ]
1968年岡山県生まれ。2002年『太陽がイッパイいっぱい』で小説新潮長編新人賞を受賞しデビュー。06年に『厭世フレーバー』で、12年に『Junk』で、それぞれ吉川英治文学新人賞候補。09年に『太陽がイッパイいっぱい』で酒飲み書店員大賞、14年に『公園で逢いましょう。』で京都水無月大賞を受賞。23年末、本の雑誌増刊「おすすめ文庫王国2024」のエンターテインメントベストテンで『俺達の日常にはバッセンが足りない』が第3位に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
66
知人から紹介されて読んだ。ボクシングの小説ということだけ知って読んだ。タイトルからは分からないしっかりしたボクシング小説だった。「嘘つき」の意味もラストで分かり、二人のボクサーの心が響く。200ページ弱の小説ながら、ボクシングにかけた二人の人生がジーンと沁みてくる。ボクシングシーンも結構迫力がある。読んでよかった。2024/12/12
kei302
48
20代の頃、ボクシングを通して濃密な時間を過ごした二人 田部井辰巳たっちゃんと五道一郎いっくんの話。タイトルは恋愛ものっぽいけど、ごつくて熱いスポーツ系。ページ数が少ないのが残念。もっと読みたかった、読み終わるのが名残惜しかった。ボクシングの小説かなり好きなことに気付いた。2024/07/31
papako
37
泣かされた!何度も。なんでここでというところで泣かされた。一応全作読んでる作者の作品だけど、こういう男の子の友情とスポーツの掛け合わせは最高です。たっちゃんの抱えた過去はもっと辛いものなんだろうけど、嘘はかわいいものでよかった。たっちゃんは誘われたから始めたボクシングだけど、ちゃんとそこで闘って生きることを選んていたんだね。イチのジムを経営していく方針も納得。テツさんとのコンビもよかった。あー、いいお話だった。2025/05/06
pen
34
三羽さんの新作。予備知識なし。「嘘つきな彼との話」のタイトルから緩いラブストーリーかと思いきや、直球のボクシングストーリーだった。不遇な家庭環境で幼少期を過ごした二人は引き合うように出会った。その孤独と不器用さが、そのままボクシングスタイルに投影した。ボクシングを全うした二人の人生はそれぞれだったが、あの4年の日々、二人は間違いなく最高ののバディだった。190ページにこれだけの熱量を込めた三羽さんは凄い。2024/07/10
rosetta
32
★★★★☆前情報なしで読んで大好きなボクシング物、しかも上出来の。試合の描写も登場人物の内面もとてもリアルに丁寧に描かれていて、ストーリにも違和感なく大満足、とても好感をもった。家族に恵まれず中学卒業と同時に家を出て港湾で働く主人公。ジムに通い始めるとロードワーク中に出会った似た境遇のたっちゃん。ブルファイター、アウトボクサーとスタイルと才能は真反対ながら互いに唯一の友人と認め合う。紆余曲折、離反の時期を経て友情を取り戻した時には…そっと差し挟まれるユーモアに青春の美しさと儚さが強く心に迫る2024/07/27
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