内容説明
生きながらにして臓器を摘出された死体が発見された。東弘樹警部補らは懸命に捜査にあたるが、二ヶ月が経っても被害者の身元さえ割れずにいた。一方、陣内陽一の店「エポ」に奇妙な客が集団で訪れた。緊張感漂う店内で、歌舞伎町封鎖事件を起こした「新世界秩序」について一人の女が話し始める。「いろいろな誤解が、あったと思うんです」―。各所で続出する不気味な事件。そして「歌舞伎町セブン」に、かつてない危機が迫る…。
著者等紹介
誉田哲也[ホンダテツヤ]
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
322
誉田 哲也は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 〈ジウ〉サーガ、久々の新作がパワーアップして帰ってきました。中途半端なエンディングなので、シリーズはまだまだ続きそうです。 著者は、完全に嫌中派になった模様です。本書を中国共産党の幹部が読んだら、激怒するでしょうね(笑) https://www.chuko.co.jp/tanko/2023/06/005661.html2023/07/15
修一朗
189
もう十作目なんだねぇ。全部読んでるか心配になって数えてみたら確かにそうだった。前作からもう4年,キャストに説明付きなのがありがたい。もう死んじゃった人も結構いるものね。前作レビューで書いたところによると誉田さんの性向も考えて今回は歌舞伎町セブンは極左組織と戦うのだろうと予想してました。でもそんなラスボス感はないな。この組織,戦闘能力はいいとしてイデオロギーはよくわからない。なんでこれで子宮摘出なんだ?次作待ちます。2024/01/20
イアン
186
★★★★★★★☆☆☆<ジウ>サーガシリーズ第10弾。都内で子宮を摘出された女性の遺体が発見される。身元すら判明しない被害者に捜査は難航するが、やがて同様の犯行が繰り返され――。「歌舞伎町セブン」に託された物言わぬ少年は何者なのか。「エポ」で陣内を取り囲んだ謎の集団の目的とは。主要人物でも容赦なく退場させる著者だけにスリルとエンタメ性は抜群だが、姫川シリーズの『マリスアングル』に続いて政治的思想を前面に押し出した作風に一抹の不安を覚えなくもない。最後に漏らした東の嘆きが、新たなフェーズの幕開けを予感させる。2025/02/01
いつでも母さん
184
前作ゲノムを読んで、東と陣内を絡ませて長編でと願った私。誉田さん、ありがとうございます。しかもこのラストったら、期待を持たせるじゃないですか。事件はスッキリせずに東に肩入れしちゃうし、ジロウの左目が痛くて辛い。あの国の方々が日本の土地を購入するのが増加してるのに、この国は手を打てない現実は私も気になっていた。だけど、相推法や相互主義・・脱中国?ちょっと怖いこの先を誉田さんが進む。NWOとの決着は近いのか?もやもやするので早めにお願いしたい。2023/07/10
タツ フカガワ
170
生きながら包丁で切開され臓器を取り出されて殺された女性の事件で、東刑事が特捜部で捜査にあたっているころ、ジロウとミサキは、フリーライターの土屋昭子から一人の少年の身柄を預かる。いつもながらエグい描写の幕開けで、今回は「脱中国」がテーマ。テロ集団“NWO新世界秩序”vs歌舞伎町セブンという構図で、終盤の活劇も面白いが、警察小説の色合いが薄くなってきたのは寂しい。東刑事の孤独が、なぜか次作を期待させる。2023/10/06