出版社内容情報
雑誌『婦人公論』での対談がきっかけとなり始まった、双極性障害の当事者である坂口恭平さんと、精神科医の斎藤環さんのスリリングな往復書簡。
「いのっちの電話」と称して自らの携帯電話番号を公開し、10年間で2万人の「死にたい」という人々の電話を受け続けてきた坂口さん。電話をしてきた人で、死を選んだのはひとり。その女性も「ずっといのっちの電話をやってください、楽しかったです」という言葉を残していた--。
精神療法の「プロ」である斎藤さんが、坂口さんの「実践、創造、そして方法に、はなはだしく興味津々」で、その技術を知りたいと、往復書簡を申し込んだ。人が人を助けるとは、どういうことなのか?
12通の、いのちをめぐる対話。
内容説明
10年で2万人「死にたい人」の電話を受けてきた双極性障害の当事者に、治療とケアのプロフェッショナルである精神科医が聞く。苦しんでいる人が“治る”技術を教えてください―「いのち」をめぐる、12通の往復書簡。
目次
1 傾聴/境界
2 治療/フィールドワーク
3 脆弱さ/柔らかさ
4 自己愛/承認欲求
5 流れ/意欲
6 悟り/変化
著者等紹介
斎藤環[サイトウタマキ]
1961年岩手県生まれ。筑波大学医学研究科博士課程修了。爽風会佐々木病院等を経て、筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」の治療・支援ならびに啓蒙活動。著書に『世界が土曜の夜の夢なら』(角川財団学芸賞)『心を病んだらいけないの?』(與那覇潤との共著・小林秀雄賞)など多数
坂口恭平[サカグチキョウヘイ]
1978年熊本県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年、日本の路上生活者の住居を収めた写真集『0円ハウス』を刊行。東日本大震災後の2011年5月、故郷熊本で独立国家の樹立を宣言、その経緯を綴った『独立国家のつくりかた』が話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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