出版社内容情報
超々弩級〈ヒンデンブルグ〉と超々々弩級〈播磨〉が激突!――戦艦が主導する最後の海戦を描く「戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期」をはじめ、「標的は〈大和〉」など全27篇を集大成。著者インタビュー「佐藤大輔、仮想戦記を語る」を併録。
ミリタリー、サスペンス、エスピオナージ、風刺、ホラー、ユーモア……佐藤大輔ワールドの多彩な魅力を堪能せよ!
目次より
戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期/勇者の如く倒れよ/予備士官/塹壕にて/新戦艦建造に関する往復書簡/少し遠い場所/九九九艦隊計画概論/ある中尉の戦死/戦艦/標的は〈大和〉/飛鳥の征けぬ空はなし/交戦規則/海底戦隊〈隼〉/七二七高地の争奪/市民討論/法務大佐かく語りき/フリードリヒ大王最後の勝利/主力戦闘戦車論・断章/喪失第一号/宇宙英雄ヴァルター・ケーニヒ/ルール・ブリタニア/最後の一人まで/夜桜は散った/乗艦命令/オデュッセウスの霊廟/看過せず/ペリカンはいつも血を流す/
/(インタビュー)佐藤大輔、仮想戦記を語る
/解説 高梨俊一
内容説明
超々弩級“ヒンデンブルグ”対“播磨”戦艦が主導する最後の海戦を描く「戦鑑“ヒンデンブルグ”の最期」をはじめ全27篇を集大成。
著者等紹介
佐藤大輔[サトウダイスケ]
1964年4月、石川県生まれ。ゲームデザイナーを経て作家となる。戦略シミュレーション小説に独自の世界を切り開き、ミリタリーSFなどでも活躍。2017年3月、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
18
#大サトー によるRSBCサーガ最後の、全短編を集めた一冊。兵器の命中率の高さとか設定の都合の良さとか、とかく戦闘場面は不満があるのだけど、こういった短編で示される人間模様はさすが佐藤大輔。加藤・清水・森井の三人組の戦後の姿を見て悲しくなる「ある中尉の戦死」と、そこに登場した鹿内少佐・高梨法務大佐のその後とか、読み直すといろいろ懐かしいね。「ルール・ブリタニア」などで示される、佐藤大輔がかくあるべしと考える英国魂がなんか素敵。とはいえ、見栄と誓約で生きる大輔世界の男たちの姿には、賛否両論あるだろうなぁ。2022/12/01
こぼこぼ
2
21世紀中葉迄のRSBC世界の様々な断片。「密書」と「秘録」は著作権の関係で復刊が難しいと聞くが,いつの日か,かつて刊行されていたRSBCの全てが日の目を見る事を。そしてその時こそ,雌伏の終焉,復旧のはじまりとなるであろう(グルグル目)2022/06/11
天喰郎
1
レッドサンブラッククロスという作品は本編より短編のほうが好きだ。なぜだろうと考えると、私は架空戦が好きなのではなく、架空世界が好きなのだと気付く。過去、現在、未来、宇宙、地上、航空、海上、海中、ミステリ、プロパガンダ……戦争を題材にしつつ、もう一つの世界が語られていく。この作品のスタートがウォーゲーム、タイトルがオマージュ(パロディ?)として始まった戦記物が、いくつもの短編群によって、レッドサンブラッククロスという新世界に昇華さている気がする。まだまだこの世界の広がりを見たかった。2021/07/02