出版社内容情報
ワインバーを営んでいた母が、突然の事故死。落ち着く間もなく、店を引き継ぐかどうか、前原葵は選択を迫られる。同棲しているのに会話がない恋人の港、母の店の常連客だった幸村、店を手伝ってもらうことになった松尾、試飲会で知り合った瀬名、そして……。楽しいときもあった。助けられたことも。だけどもう、いらない。めまぐるしく動く日常と関係性のなかで、葵が選んだものと選ばなかったもの――。直木賞受賞後長篇第一作。
内容説明
出会って別れて、また出会って―あと死ぬまでに何度繰り返すのだろう。ワインバーを営んでいた母が、突然の事故死。落ち着く間もなく、店を引き継ぐかどうか、前原葵は選択を迫られる。同棲しているのに会話がない恋人の港、母の店の常連客だった幸村、店を手伝ってもらうことになった松尾、試飲会で知り合った瀬名、そして…。めまぐるしく変化する日常と関係性のなかで、葵の心は揺れ動いていく―。
著者等紹介
島本理生[シマモトリオ]
1983年、東京生まれ。2001年『シルエット』で第44回群像新人文学賞優秀作、03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞、15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞、18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
374
島本 理生は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、今時のアラサー女子のラブ・ストーリーでした。女性でも賛否両論あるのではないでしょうか? 本書に出て来るパークハイアットのニューヨークバーの夜景は東京随一です。 https://restaurants.tokyo.park.hyatt.co.jp/nyb.html 2026年にサグラダ・ファミリアが完成したら、是非再訪したい! https://www.youtube.com/watch?v=RcDmloG3tXU2020/12/15
さてさて
328
島本さんがおっしゃる”これからの人生”についての物語を『2020年』という年に投影させたこの作品。『オリンピックの公式ポスターが目に飛び込んできた』といった時代を表す表現によって『2020年』に向けた東京の熱さを感じるこの作品。それでいて、『年明けから世界中で感染症が猛威をふるい… こんな2020年のオリンピックイヤーを誰が予想していただろう』というその先に待っていたコロナ禍をもしっかり描写していくこの作品。地に足ついた私たちの日常にある恋愛のさまざまな形を丁寧に描いた、島本さんらしさに溢れる作品でした。2022/06/18
ウッディ
242
母の事故死で、リニューアルしたワインバーを経営することになった葵。店員募集の貼り紙で出会った松尾とともに、会社勤めをしながら開店準備を行う彼女の周りには魅力的な男性がイッパイ、まさにモテ女です。自由な母の元で誰にも頼らず生きてきたしっかり者の葵、美人なのかもしれないけど、隙もなさそうなのに、こんなにモテるのが理解できず、複雑な家庭環境も説明不足で、義理の兄や妹の関係もモヤモヤでした。突然のスペイン旅行の無理矢理感、2020年春と2019年秋の順序が逆になっているなど、???がいっぱいの一冊でした。2021/04/18
うっちー
237
少し作風が変わりました❓2017年掲載初回からみる実際の2020年は想像できなかったでしょう。2020/12/19
Yunemo
213
久々に著者作品を読み終えて。やっぱり男としては理解し難いことが多過ぎて。どうして男の人は今日目の前にいる私ではなく、過去の私にばかり気を向けてしまうのだろう。と、問われても、返す言葉が見つかりません。いい悪いとかじゃなく、どうももう一つピンと来ない自分がいて。それはそれでと納得してしまうこと、男の性と考えればいいのかな。生き方の特徴として、便利で機能的で速度重視の未来を追い求めた先には、なにが待っているのだろう。この一文がやけに心に引っ掛かって、ざわつきます。登場する男達って一般的な範疇、後は選択かもと。2020/11/29