月人壮士(つきひとおとこ)

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  • サイズ 46判/ページ数 312p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120051975
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

気鋭の歴史作家が描き出す、聖武天皇の真実!


'756年、大仏建立など熱心に仏教政策を推進した首(聖武)太上天皇が崩御する。道祖王を皇太子にとの遺詔が残されるも、その言に疑いを持った前左大臣・橘諸兄の命を受け、中臣継麻呂と道鏡は、密かに亡き先帝の真意を探る。しかし、ゆかりの人々が語るのは、母君との尋常ならざる関係や隔たった夫婦のありよう、御仏への傾倒、迷走する政……と、死してなお謎多き先帝のふるまいや孤独に沈む横顔ばかりで――。


伊坂幸太郎、朝井リョウをはじめとする人気8作家による競作企画【螺旋プロジェクト】の1冊としても話題!

内容説明

東大寺大仏の開眼供養から四年、仏教政策を推進した帝の宝算は尽きる。道祖王を皇太子にとの遺詔が残されるも、その言に疑いを持つ者がいた。前左大臣・橘諸兄の命を受けた中臣継麻呂と道鏡は、密かに亡き先帝の真意を探ることに―。聖武天皇の真実を探る物語。

著者等紹介

澤田瞳子[サワダトウコ]
1977年京都市生まれ。同志社大学文学部文化史学専攻卒業、同大学院博士課程前期修了。専門は奈良時代仏教制度及び、正倉院文書の研究。2010年『孤鷹の天』で小説家デビュー。同作により第17回中山義秀文学賞を最年少受賞。12年『満つる月の如し』で第2回本屋が選ぶ時代小説大賞ならびに翌年の第32回新田次郎文学賞を受賞。著書に『若冲』(第9回親鸞賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

276
澤田 瞳子は、新作中心に読んでいる作家です。中央公論新社創業130周年記念「螺旋」プロジェクト第五弾です。 http://www.chuko.co.jp/boc/spiral.html 「螺旋」プロジェクト完読倶楽部継続中です。 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11423997?sort=book_count&order=desc 聖武天皇を取り巻く人々の群像劇、宮廷のドロドロ感から、現状マイワースト更新です。続いて乾 ルカの「コイコワレ」 へ。2019/06/21

文庫フリーク@灯れ松明の火

201
乾ルカさん『コイコワレ』で山族少女リツと源助の会話で出て来た「ショウムテンノウ」令を前倒しした近江令・飛鳥浄御原令後の701年大宝律令により天皇を中心とした二官八省の中央集権国家において、非の打ち所の無き全き天皇として即位された聖武天皇の崩御から物語は始まり、聖武天皇が崩御の際ご遺詔を残されたのであれば探せ、と橘諸兄に命じられた中臣継麻呂と、あの道鏡。聖武天皇と深く関わった方々から印象深き出来事と自身の被った苦難・苦悩が独り語りされる。【螺旋プロジェクト】参加していなければ、澤田瞳子さんご自身は別の→続2019/07/06

nobby

179
自分は日本史好きだとあらためて感じた。奈良時代を舞台にして登場する道鏡・鑑真・長屋王・光明皇后など学び覚えた記憶を呼び起こし懸命に食らいつく(笑)その中心となり描かれる聖武天皇についても正直、東大寺大仏建立のイメージしか無く、遷都を繰り返す行幸や正妻をよそにしての愛人通い等ダークな事象は知って驚くばかり…そこから徐々に語られるのは、この国を照らす日嗣の王としての自負の一方で、母と妻から受ける藤原氏の血に支えられる葛藤…そこに山〈天皇家〉と海〈藤原氏〉の螺旋を生み出すだけでなく日と月まで重ねる技巧はお見事!2019/10/06

のぶ

168
本作は「螺旋プロジェクト」の一冊であるが、プロジェクトの事は意識せず、日本の古代史の一片の話として読んだ方が楽しめると思う。描かれる時代は天平時代から平城京にかけて。物語は聖武天皇が崩御するところから始まる。東大寺大仏の開眼供養から四年の事。それからは天皇、藤原氏、東大寺の僧侶らの権力闘争が繰り広げられる。混乱する政。登場する人物はこの時代のオールスターキャストですね。あまり触れる事のない古代の作品だが、さすがに歴史学者でもある澤田さんは人物をうまく描き分けて、分かりやすい物語になっていました。2019/06/22

うののささら

167
聖武天皇といえば、藤原氏の力をかりてさまざまな歴史的な政策を実施してきたが、お金を使いすぎて人民を苦しめたイメージ。平安末期まで続く皇統と藤原氏融合の象徴。ただ悩みも多く仏教にはまっていく。コロナみたいな疫病のはやり、二階幹事長みたいな藤原氏のせいで争いは絶えず、皇統は先細り女性天皇の中継ぎが続く。藤原氏を母とする我が身を恥て死の間際私的な詔をだす。頭よく周りが見えちゃうと気軽に生きられないな。2021/03/08

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