出版社内容情報
妊娠中の妻と2歳の娘を少年たちに陵辱の末惨殺された恭介は、犯人の少年たちを切り刻み、それを撮影したDVDを犯人宅に送りつけた。
しかしそれは復讐ではなかった。妻子の殺され方が美しくないことへの憤りだった。恭介にとって人間の死体は至福の「芸術品」であるべきなのだ。
23年前、キスした姿の少年と少女の生首写真が被害者宅に届けられる事件があった。ご丁寧にもその写真には「ファースト・キス」というタイトルまで付けられていた。
事件は迷宮入りし、警視庁の名倉警部は今でもその屈辱を胸に抱いているが、その犯人こそ当時中学生の恭介であった……。新堂冬樹史上、最低最悪の小説。
内容説明
凶悪残忍な少年たちが猟奇殺人犯を覚醒させた!!妊娠中の妻と幼い娘を少年たちに凌辱の末、殺害された男。彼が胸に抱いたのは、悲しみでも憎しみでもなく、妻子の殺され方が美しくないことへの憤りだった…。新堂冬樹史上最悪の作品。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
大阪生まれ。金融会社勤務、コンサルタント業を経て、1998年「血塗られた神話」で第7回メフィスト賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
350
『ASK』あたりから、ちょっと毒の強さが持ち直してきているような。この作品も、中身はスカスカで、ストーリーでは勝負出来たものではないのに、以前の、他が怯んでやらない領域にあえて踏み込んで、徹底して嫌悪感催させるような、刺激物としての小説みたいな方向性に戻ってきている。まぁ、安直に赤ん坊や未成年を惨殺して、物議を醸そうというあざとさがある可能性も否定出来ない。いつからか身につけて、悪い癖として定着してしまっている、キャラの使い捨てや放置を直さないと、過去の勢いは越えられないのではないだろうか。2019/03/23
starbro
207
新堂 冬樹は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。黒新堂、新堂冬樹史上「最低最悪!!」の作品ということで、単純な少年事件レイプ犯復讐譚かと思いきや、猟奇スナッフフィルム殺人狂的芸術家の物語でした。かなりグロいので白新堂ファンには決してオススメしません。但し、主人公が主張している芸術性はあまり感じられません(笑)続編もありそうです。http://www.chuko.co.jp/web_serial/utsukushiku/ 【読メエロ部】2019/04/10
黎明卿(禍腐渦狂紳士タッキー)
167
【こんな殺しかたは、許せない……(恭介)】妊娠中の妻と幼い娘を少年たちに凌辱の末、惨殺された恭介。彼が抱いたのは妻子の殺され方が美しくなかったことへの憤り……。少年たちが恭介の手によって素材として芸術作品に仕上げられていく過程がグロくて面白かった!身体から咲き乱れる花と噴き出る血の噴水、血のシロップに脳の練乳、鬼畜を誕生させる聖母など人間を素材にしたグロく美しい芸術作品の数々に惚れ惚れ♡恭介の感性がサイコパス過ぎて神のように映ってしまう。人間が生きたまま芸術へと昇華される窮極の美が垣間見えた♡2019/06/02
モルク
112
超グロ新堂作品。妊娠中の妻と娘が少年たちに拉致され凌辱のうえ惨殺された。その様子を撮影したDVDが夫恭介の元に送られてくる。恭介が憤ったのはふたりが殺害されたことではなく、その殺され方が美しくないことだった。そして少年時代の傑作を上回るべく彼は少年たちを作品の素材に選ぶ。主人公の創作作品への自己陶酔やそのサイコぶりが度を超している。久々にこんなグロいの読んだ。しかし主人公の金回りのよさはどこからきているのだろうか。2019/10/02
GAKU
76
兎に角グロくて、スプラッターな場面が次から次と出てきます。けれども被害者が極悪非道な未成年達や、それほど人物像が描ききれていない登場人物だったりするので、読んでいる私としては可哀想!酷い!といった被害者に対する思い入れがわかなかった。描写もここまで残虐だとB級スプラッター映画を観ているようで、逆に笑っちゃいますね。とは言えグロいのが苦手な人には、ただただ嫌悪感しか抱かない作品でしょうね。結局作者はこの作品を通して、何を訴えたかったのでしょうか?⇒ 2019/04/22