出版社内容情報
大山久子は、旧長州藩士で明治政府の官僚となる野村素介の娘だった。東京女子師範学校付属高等女学校に学び、そこで幸田露伴の妹で、日本の西洋音楽受容を牽引したピアニスト兼音楽教授の延(のぶ)と親交を結ぶ。夫は旧薩摩藩出身の外交官、大山綱介。
夫の海外赴任に同行しプッチーニと知り合った久子は、世界的な大ヒット・オペラ『蝶々夫人』誕生に深く関わることになる。 一方、日露戦争で日本勝利の一因となる二隻の軍艦『日進』『春日』はイタリア製であり、アルゼンチンが発注したものだったが、その日本転売にあたっては、久子の夫綱介の功績が大きかった。
西洋音楽と日本人の関わりがエピソード豊かに描かれる一方、世界の中で徐々に存在感を高めていく近代日本の姿が、大山綱介・久子夫妻の生涯から浮かび上がる。
萩谷 由喜子[ハギヤユキコ]
著・文・その他
内容説明
明治維新から150年、プッチーニ生誕160年。近代史に埋もれかけた大山綱介・久子夫妻の功績が、ヴィヴィッドな筆致で甦る。
目次
第1章 野村久子と大山綱介
第2章 軍艦
第3章 オペラ『蝶々夫人』ができるまで
第4章 軍艦争奪戦の英雄たち
第5章 日露戦争
第6章 三浦環の『蝶々夫人』への道
第7章 久子の後半生
著者等紹介
萩谷由喜子[ハギヤユキコ]
音楽評論家。東京都文京区生まれ。日舞、邦楽とピアノを学び、立教大学卒業後音楽教室を主宰する傍ら音楽評論を志鳥栄八郎に師事。専門研究分野は、女性音楽史、日本のクラシック音楽受容史。『音楽の友』『モストリークラシック』『ハンナ』の公演評欄を担当するほか各紙誌に執筆。随時放送出演。全国各地でクラシック音楽講座、レクチャーコンサートを開いている。ミュージックペンクラブ・ジャパン会員、山田流協会、日本三曲協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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