出版社内容情報
病に倒れていたドラァグクイーンのシャールが復活。しかし、「マカン・マラン」には導かれたかのように悩みをもつ人たちが集ってきて――?
著者等紹介
古内一絵[フルウチカズエ]
東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年『快晴フライング』(ポプラ社刊)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fukumasagami
618
「どうしてこんなに優しくしてくれるんですか」 それは単純な疑問だった。最初は抗議の一団に紛れてやってきたことは、この人だって、あの真っ赤なウィッグをかぶった若い男から聞かされているだろう。 初めて会ったときも、警戒心むき出しで、圭を連れ戻したのだ。 それなのに、どうしてそんな自分に優しくしてくれるのだろう。 「そうねぇ……」 シャールは少し考え込んでから、あっさりと告げた。 「寂しいからかもしれないわね」 その言葉に、未央は胸を衝かれる。 「生きていくのって、寂しいのよ」2017/08/12
けんとまん1007
604
やっぱり、このテイストはいいなあ~。ある意味、定番でもあるが、それで安心できるのもある。人は、自分の中で答えを持っていながら、なかなか、それを受け入れようとできない時がある。そのきっかけを作るのが、このカフェなんだ。さりげなくて、それでいながら深い心配りがされている夜食カフェ。人は、食べること、話すこと、感じることで生きている。だからこそ、こんなカフェが必要な人たいもいるのだ。2017/08/06
しんごろ
538
シリーズ第2弾!シャールさんの悩む人達にかけるひと言は、ボンヤリとしてるようで的確なひと言。そして、温かく優しくていいね。シャールさん、退院してから的確なひと言がパワーアップした感じ。マカン・マランに来る人には、愛を感じる魔法のひと言だね。自分が思い悩んだら、一度店に来れば、もうそこから常連、そんなマカン・マランに行ってみたいとまた思ってしまった。本を読みながら夜食をゆっくり味わいたいね。2020/08/21
蒼
427
病から無事帰還したシャールの下に様々な人々がやって来て、心癒されて行く。でも実はシャール自身が心の安寧を受けていたのではなかろうか。最後までわかりあえずに、末期を看取り送って父に対して、親不孝だったとつぶやくシャールにかつての同級生柳田が、「お前は病気から帰ってきたのだから親孝行したんだ。親より先に死ぬこと程の親不孝はない」というくだりには、涙が滲んだ。みんな精一杯生きているから苦しかったり辛かったりして、マカン・マランで肩の力を抜いて行く。良い店だ。2018/01/20
うっちー
318
前作の方が夜食が美味しかった気がします2020/07/15