内容説明
英国で精神分析家として多くの人生に耳を傾けてきた著者が、診察室での31話から、私たちのこころの不思議を解き明かし、今いる迷路からの出口を示唆する。欧米各紙誌が「2013年ベストブック」にリストアップし、“心に語りかけてくる物語”“まるで上質な短篇小説のよう”などと読者の共感を呼んだ英国発のベストセラー。
目次
ふりだし(語ることのできない物語;笑いの功罪 ほか)
嘘をつく(秘密;二人の距離 ほか)
愛の諸相(心なごむ場所;妄想は苦痛をやわらげる ほか)
置き換える(喪失の恐怖;消極性という防御 ほか)
別れ(沈黙を通じて;終止符を打つ ほか)
著者等紹介
グロス,スティーブン[グロス,スティーブン] [Grosz,Stephen]
1952年米国インディアナ州に生まれ、カリフォルニア大学バークレー校と英国オックスフォード大学ベイリオル・カレッジに学ぶ。現在、ロンドンの精神分析研究所とユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの精神分析課程で教鞭を執るかたわら、精神分析家として活躍。ロンドン在住
園部哲[ソノベサトシ]
一橋大学法学部卒業。ロンドン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
11
イギリスの精神分析医による31の物語。こういう古典的な精神分析論を久しぶりに読んだ気がするけれど、そういう理論的なことはあまり重視しなくても大丈夫な内容です。登場する人間のそれぞれの人生の問題、それに治療者として向き合う医師自身のドラマが面白かった。まさに、短篇小説のように。親子、夫婦、自分自身との関係に考えるところがあるひとにおすすめです。2015/04/18
日の丸タック
9
精神分析の臨床家が、実際の診察場面を綴ったものだ。 心因反応は明らかな場合でも、その原因は様々で、しかも反応の出方は千差万別。 本人の意識しない問題や意識したくない問題…無意識の世界は複雑怪奇。 心因反応や症状に悩むとき、その原因となる事象を明らかにする行為が精神分析だ。 自分の無意識の行動や癖、思考の方向性には心的要因が影響している可能性が大だ。 原因のないところに結果はない!ということか。 自分自身を冷静に見つめ直してみる切っ掛けともなった。 入院に際し友人から頂いた本である。ありがとうございました。2016/08/15
海戸 波斗
2
イギリスの精神分析医の患者症例を書かれた本。ふうん。自分の気持ちを探るのっておもしろそうだな。すげー迷惑そうな仕事だなコーチングと一緒でゴールを決めとかないと思ってもいない方向に行きそうだ。どんどんお金吸い取られて依存させられていくイメージがある。絶対カモられる走って逃げろー私。2015/10/03
あきこ
1
精神分析家の著者が自身の患者との対話から紹介する。診療所の場所はイギリスである。なので相談の内容とか心の持ち方が日本人とはちょっと違う。精神医療に対する認識がそもそも違うのだろう。日本は自殺者が増えていることが社会問題になっていじめを苦にして死ぬ子供もいる。精神医療をもっと生かして活用するべきなのだろう。本書での相談、というか対話はきっかけは日常の心の不具合だ。自分から来る人、強制的に通わされてくる人などそれぞれ。内容の多くは誰もが胸の中にちょっとだけ持ち合わせているもの。誰もが当てはまることなのだ。2017/12/16
言いたい放題
0
流し読み2019/12/05