中公叢書
英連邦―王冠への忠誠と自由な連合

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120044113
  • NDC分類 233.06
  • Cコード C1022

内容説明

英連邦とは、イギリスと過去にその帝国支配下に置かれた国々が中心となり形成される国家間の「自由な連合」である。それはかつて「王冠への共通の忠誠」によって結び付けられ、現在でも、イギリス君主がその「自由な連合の象徴」となっている。その加盟国は世界各地の54ヵ国におよび、近年では、先進国と途上国、大国と小国を包摂するフォーラムとしての意義も注目されている。英連邦という独特な存在を通して、イギリス帝国の着地点を探り、また現代世界の課題に対応するための手掛かりを見つける一助となれば、著者として望外の喜びである。

目次

序章 王冠への忠誠と自由な連合
第1章 植民地から自治領へ
第2章 英連邦の成立
第3章 「新英連邦」への道
第4章 「帝国後」の模索
第5章 現代世界の課題と英連邦
終章 英連邦とは何か

著者等紹介

小川浩之[オガワヒロユキ]
1972年生まれ。京都大学法学部卒。ロンドン大学経済政治学院国際関係史学部大学院修士課程修了(MA)。2003年京都大学大学院法学研究科(政治学専攻)博士後期課程研究指導認定退学。博士(法学)。京都大学大学院法学研究科助手、愛知県立大学准教授を経て現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授(現代イギリス政治外交史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テキィ

5
第二次世界大戦をはさんだ、英連邦のブロック経済っぷりがなにげに驚きだった。そりゃ後にGATTの概念と相反するわ。帝国主義が被征服国と一緒になって人種問題を先送りしながらも少しずつ解決していくのは賢いことだと思う。ロンドンにマンデラの銅像があるわけだ。それにしても各国トップがパブリックスクールを通して共通の教養を共有しているというのは強い。ベースが共通でないと利害を超えて握ることはできん。そういうベースがない状態でどうやって握り合うのか。力作なのでは。2012/09/05

バルジ

2
白人自治領の「社交クラブ」的な存在から「多人種の連合」へと変化していく過程が非常に面白い。 英国のEU離脱の際にも離脱派から「英連邦」の存在が語られていたが、その歴史的な背景とイギリスの対外観をうかがい知る事ができる。 幾度も存続の危機に立たされながらもしぶとく国際組織としての性格を維持する英連邦は今後どうなるのか注目して見ていきたいと思った。2018/02/19

Tetsuya Noguchi

1
日本では数少ない、英連邦に関する書籍。英連邦の歴史を遡って記述している。 香港は、1997年に英国から中国に返還されたことから、それ以降は公式的には英連邦との関係を絶っている。しかし実際は英連邦関連の組織(例えば、司法関係、教育関係など)には未だに深く関与している。 そういった、英連邦の非公式チャネルを通じた香港政治・社会への影響について、何か研究のヒントが得られないかと思い、この本を手にとった。2020/02/18

kazutoshi

1
英連邦とはおそらく日本ではあまり馴染みのない言葉かもしれない。本書は英連邦の歴史に遡り、旧植民地の国々がどのように英連邦に加入していったのかを書かれている。旧植民地との悲劇や摩擦をイギリスはどのように乗り越え、現在の英連邦の制度を作り上げていったのか。本書を読むと現在においてもイギリスがなぜ大国として見られるのかがよく分かる。イギリスは成熟した国なのだろう。2013/02/01

gauche

0
「現代イギリスにとっての英連邦」にもうすこしページを割いて貰えると良かったかな。註や参考文献一覧が充実しています。2012/11/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5052882
  • ご注意事項

最近チェックした商品