内容説明
出家することなく、在家で有髪のまま、京都の醍醐寺から大僧正位を贈られた女性がいた。伊藤友司、摂受心院。醍醐寺で真言密教を修めたのちに、在家の仏教教団、真如苑を開創した夫、伊藤真乗を卓越した宗教的能力で支え、妻として、母として、ひとりの女性として厳しい仏道を生きた彼女の生涯は、人々の心にほとけの道を示すものであった。写真78点収録。
目次
摂受心院、その生涯と歩み(結婚まで;新天地;苦難;仏道;真如;再生;時は今)
見えない心を観る
母のような温もり
霊性と教団―その継承の意義をめぐって
感想・レビュー
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Shun
4
仏教に関する書籍でありながら、カトリック系の南山大の教授が著者だったので、少し不思議だなと感じ、一度読んでみた。親の入信している真如苑の教義や歴史を知った。宗教家としての苦労、覚悟も感じた。2020/04/19
スリカータ
0
真如苑の教祖である女性の生涯。新興宗教に抵抗があったが、一人の日本人女性宗教家の伝記としてスンナリ入れました。仏教用語の難しいことは分からないけど、苦難の多い人生で心を清らかに正して生きていけたのは、信仰の成せるわざなのかと思ったり…。2013/12/07
にょり
0
空海の孫弟子にあたる聖宝理源大師が開かれた真言宗醍醐寺から最高位である大僧正位を贈られた、在家の有髪女性のお話。/私個人は原始仏教が好きですが、釈尊の教えそのままを行いに表した方であると感じました。素直に読めました。/愛別離苦をともなう厳しい仏道ですが、妻として、母として、ひとりの女性として、生活の中に悟りをみいだし、昔祖母や祖父が教えてくれたことそのままでした。まずは利他、人の心になって考える。お米一粒を大切にし、ご先祖さまに感謝し、代々受け継がれている信仰を大切にしてゆく中に、自ら心を磨き努める。2013/11/19