内容説明
戦争は始めるより終わらせる方が難しい。ヴェルサイユの講和が未解決のまま残した賠償問題に端を発する独仏両国の衝突(ルール占領)は形を変えた戦争の継続であり、ロカルノ条約はこれを終結させた「第二の講和条約」であった。本書はシュトレーゼマン、ブリアンの独仏外相を中心にロカルノ条約の成立から崩壊にいたる過程を描く。最初の世界大戦の戦後処理をめぐる二人の歩みは、平和の構築が「和解」や「宥和」などの言葉では尽くせない厳しい営みであることを示している。
目次
ロカルノ条約―第二の講和条約
和解の政治家ブリアン―「政教分離法」からカンヌ会議まで
シュトレーゼマン―併合主義からワイマール共和国の受容へ
一九二三年の危機―「第二の敗戦」
ブリアン再登場
ロカルノ条約の成立
ドイツの国際連盟加盟
トワリー会談―独仏協定の挫折
停滞と模索
講和問題の最終的解決へ
ロカルノ体制の意義と限界―カール・シュミットの批判
ヨーロッパ協調の崩壊―シュトレーゼマン亡き後のドイツ外交
ブリアン以降のヨーロッパ
著者等紹介
牧野雅彦[マキノマサヒコ]
1955年、横須賀市生まれ。京都大学法学部卒業。名古屋大学大学院法学研究科博士課程単位取得。名古屋大学教養部助教授を経て、広島大学大学院社会科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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