内容説明
食卓を支える定番の味、名シェフならではの一皿、クラシックな調理法、多彩な品種と歴史の話―パリでの暮らしと各地への旅がもたらした、愛すべき「名脇役」とのおいしい出会い。
目次
窓辺の植木鉢でとれたじゃがいもの味
シンプルな食べ方こそおいしい、茹でたじゃがいもに塩とバター
ラグビー・ボールのようにふっくら、しゃれたポム・スフレ
イタリアで出会った素敵なポテト・サラダ
伝説的なじゃがいものピューレ
ポロねぎとじゃがいものスープ・ヴィシソワーズ
ポール・ボキューズの名物料理、じゃがいもが鱗のほうぼう
フライド・ポテトとフランダースの犬
じゃがいものシャトー風
じゃがいもの花とパルマンティエとルイ十六世〔ほか〕
著者等紹介
戸塚真弓[トズカマユミ]
1961年、跡見学園短期大学卒業。78年よりパリ在住。フランスワインと料理を愛好するエッセイストとして活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天の川
49
再読。フランス在住の著者のじゃがいも愛が伝わってくる上質なエッセイ。日本でも都道府県それぞれにブランド米を作っているように、フランスでも地方ごとに栽培されるじゃがいもが違い、作る料理も違う。適宜紹介されているレシピはシンプルで美味しそう。じゃがいも好きが多いのに、「じゃがいもが好きだ」と公言するのを憚るフランス人が多いという。じゃがいもを貧乏人のパンと見做していた歴史の影響か。それでも日本人一人当たりの消費量の3倍を食べるフランス、品種もレシピも多彩だ。2024/06/09
azukinako
48
たかがじゃがいも、されどじゃがいもである。写真がないのも潔いですね。とにかく文字しかないのに、ジャガイモとバターとオリーブオイルとワインの香りがする。私は126pの「小粒で、皮が薄く、形が整っていて、木の桶に入って、白い布巾に包まれ、湯気を立てて出てきたというジャガイモ」が無性に食べたくてたまらない。2020/04/28
天の川
39
フランスのじゃがいも事情。本当にたくさんの種類のじゃがいもがあって、料理に合わせて選ぶ。それは、私たちが米の品種にこだわるのと似ている。じゃがいもの歴史、さまざまなレシピ、各地方の食事情、旅のエッセイがバランスよく詰まった本で、興味深く読んだ。フランス在住を鼻にかけない、ごく普通の生活感が、読んでいて心地よい。でも、元ソルボンヌ大学総長夫人で三ツ星レストランに足を運んでおられるからこその多彩な内容でもある。2019/07/08
あじ
36
フランス在住の著者が、じゃがいもばかりを語る異色エッセイ。調理レパートリーが広いじゃがいも同様、洗練された著者の知己が私を飽きさせなかった。読書家を匂わす片鱗に好感度大。★3/5◆【じゃがいもびいきを極めたいあなたへ─お薦めの書】●『ポテト・ブック』マーナ・ディヴィス(著)伊丹十三(訳)●『ジャガイモの歴史』アンドルー・F.スミス2019/10/25
ジュール リブレ
14
フランス仕込みの、じゃがいも周りのウンチク本。でも、知ったかぶりではなくて、自らの経験を語っているところは好感をもてる。日本では、あんまりこだわらないじゃがいもの種類だけど、フランスでは、ここまで…というのが面白かった。こんなに三ツ星レストランに通えはしないけどね。2013/08/14